第3話

座敷童は幸せを呼ぶ -雪の世界のどこかの誰か-
3
2024/01/18 10:50
「う〜寒い〜」

「雪も降ってるし、雨宿りできるとこ、探さないと」

「ここホント寒いよ〜」

 あたりは一面真っ白白、白色のペンキであたり一面を塗ったみたい。
毎年ここら辺はいっつもこうなる。僕が死んじゃった時もこういう時だった。
あいにく、僕はジバクレイなので雪のない遠くへ逃げることはできない。
 ほんっとに寒い。ノノも、僕の上着を掛けたけど、まだ寒いみたい。

「せめて何かあったかい物があれば良いのに!」

ノノは叫んだ。僕もホントにそう思う。こうやって、走って雪を遮れる場所を探すと疲れちゃう。
だけどそんな中、辺りをキョロキョロしてる人がいた。

「あれ?こんな時に外に出てる人が…?」

僕が言うと、ノノは随分驚いてた。そりゃそうだよね。僕だってびっくりしたもん

「えぇ!?体、冷えちゃうよ。とにかく、あそこだよね?すぐに向かわないと!!」
「大丈夫かなぁ…」

「大丈夫だよ。」

僕はノノを励ますために言った。僕だって凄く心配だ。だってこんな雪の中にいるんだよ。真っ白白の寒いこの場所に!
それにしても、なんだか心臓がバクバクする。
初対面の人に話しかけるのは緊張しちゃうなぁ。あれ?そういえば…

「僕らって人じゃないでしょ?どうやって声を掛けるのさ?」

「あっ…そっか…でも、とにかく話しかけてみないと!」

ノノも僕と同じで気づいていなかったみたい。それでも、ノノは

「それもそっか。早く行こ!」

「うん!」



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