ここ最近は美空のところにSHR後、ダッシュすることが多くなった。
大声で教室を出かけていた美奈に声をかける。
いつもは「行ってらしゃーい!!」って言うんだけど、
今日は美奈の部活が休みだから「またね!!」と声をかける。
美奈は笑顔で私たちにそう告げると、教室を出ていった。
もしかして、帰り一人かな?
音楽室に着くと、
後輩「先輩!!こんにちは!!」
と、明るい声で後輩ちゃんたちが挨拶をしてくれる。
後輩「え?体育館を使えるのは明日だけじゃないんですか?」
後輩「はい!!」
体育館に楽器を運び終わり美空とそんな会話をしていると、
走っている男バスの姿が。
たぶん、えげつない距離を走っている。
キツそうだなぁ
後輩「は~い」
気づいたら、美空がみんなに声をかけていた。
私も行こうとした瞬間、
君と目が合った。
一生懸命頑張る君と。
目が合ったことに驚いていると、
君は親指を立てて「が・ん・ば・れ」って口をパクパクを動かした。
たぶん、今、顔赤いんだろうな。
変に思われてないかな?
あ、私も何かしようっ
そして私は 親指を立てて口を「が・ん・ば・れ」と口を動かした。
君がしてくれたように。
いや、喋るんかい。
君の頑張っている姿が輝いていたのは、まだ私だけの秘密。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!