やばい、くしゃみが止まんない。
寝ていたとき汗を掻いていたいたから冷えて風邪になってしまった。
全ては昨日の夢のせい。
久しぶりに見たあの夢は、私に風邪と再び恐怖を与えた。
あぁ、思い出しただけでも寒気がする。
何もすることがないので物凄く暇だ。
適当に、スマホを開くといくつかのL●NEがきていた。
まぁ多分、美空か美奈あたりだろう。
そう思いメッセージを確認する。
もちろん美空や美奈からもきていた。が、
思いがけない人からもきていた。
一昨日、連絡先を交換した海斗からもきていた。
シンプルなメールだったが、とても嬉しかった。
そう海斗に私は返した。
そういうことか、海斗は昨日私に中学校の部活のことを聞いたことに責任を感じてたんだ。
そんなことないのに、
海斗にそんな責任を背負わせていたなんて、
さすがに暇すぎる。学校がないとこんなに暇なんて知らなかった。
けどもう少し風邪が長引けばいいのに、なんても思ってしまう。
時刻は18時。
部活がちょうど終わる頃。
あ、やべ。
部活大丈夫かな?
1年生は今年の4月に入ったばっかり。
私たち2年生がつきっきりで教えているところなのに。
ぴろん♪
え?今更?
絶対忘れてたでしょw
いやー、お見舞いに来てくれる人がいるというのは1人暮らしの私にとってありがたい。
美空から連絡がきても尚私はベッドの上でごろごろしている。
ピンポーン
あ、来てくれたかな?
くらっ、
やばい一日中寝ていたから上手く立てない。
フラフラする。
大丈夫かな?
ガチャ
その一言のあと目の前が真っ暗になった。
あぁ、美空と美奈が運んでくれたんだ。
・
・
・
美奈!?
いやいや、連れて来たじゃないよ。
なにしてくれてんの。
私、パジャマ!!
髪ボサボサ!!
いやいや、女の子の部屋に男がいちゃダメでしょ。
よくぞ言ってくれたぞ美空
いや、よくないよ美奈!?
まぁ、じゃないぞ海斗!?
そして、それにのるな美空!?
誰のせいだと思ってるんだよ。
もう、帰るんだ...
あれ、海斗固まった。どうしたんだろ。
もしかして私、変なことした?
え?海斗が近づいてくる?
2人が聞こえるか、聞こえないかくらいの距離でそんなこと言われたら....
照れちゃうじゃん。
3人のお見舞いのおかげか私の体調も二日後には元通りになった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!