中学1年生の頃、私には1人だけ友達がいた。
その子は池田芹夏と言う女の子。
元気いっぱいでとてもいい子だった。
ぼっちの私に話しかけてくれた芹夏は私の
痣のことも知っても、私と関わってくれた。
唯一の友達だったのに……
夏の期末考査に事件は起きた。
私は全教科満点を叩きだし、1問だけ間違え
た芹夏はスポットライトを浴びなかった。
親に学年1位を取り続けろと言われた芹夏に
とって私は邪魔だったのだ。
それだけでも芹夏は追い込まれていったのに
私と関わっているってことで芹夏はいじめ
られるようになった。
そして、芹夏は屋上から飛び降りたのだ。
家族宛てと私宛の遺書を遺して…
その時の遺書は実に簡単な物だった…
琉依のせいで私は両親に怒られた。
琉依のせいで私はいじめられた。
琉依のせいで私の人生は終わった。
琉依のこと、死んでも恨むから。
さようなら。
たった4行の遺書。
その遺書により、私は友達を作ろうとも作りたいと思うことも無くなった…
莉世が睨むような目で私を見ている。
莉世はその場に崩れ、大声で泣き始めた。
私はただ無言で莉世を見ていた。
すると、隼翔が耳打ちをしてくる。
香織が私の手を握る。
そう言うと、私は笑顔になることが出来た。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。