第7話

《一》3
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2026/08/15 02:24 更新
翌日からは、普通に授業がある。が、その進度の早いことと言ったら説明が難しい。


どうやらこの学校では、ミッションに使う時間を捻出するために、授業時間数が一般的な高校の半分ほどしかないようなのだ。1週間の時程というものは存在せず、今日はこの時間割、といった形で、全部授業の日や午前だけ授業、はたまた一日中授業がなくミッション関連に費やすなんてこともある。


他の天才たちには授業が早くてもなんともないのだろうが、私はもとからの才能なんてなくて、必死に勉強してなんとか入れただけだ。ついていくのにも、同じだけの労力を必要とする。
木島優理香
……綾芽大丈夫?ちゃんと寝てる?
桃園綾芽
えっ、あ、うん
木島優理香
目の下のクマやばいけど
じっと私の顔を覗き込んできているのは優理香だ。若干パンダを連想させるたれ目が鋭くなる。
木島優理香
今日は部活のスカウトあるんだからさちゃんとしてないとだよ
桃園綾芽
わ、そうじゃん
部活のスカウト……というのは、その名の通り。青境の部活はミッションをするための班にも等しく、実際部活らしいこともするようなのだが、ほとんどはミッションの打ち合わせや準備、実行が活動内容だと聞いた。その班としての強みになる特徴を満たし、かつそのメンバーに足りていない要素がある人を優先的にスカウトしてくるそうだ。
桃園綾芽
……緊張するね
木島優理香
ね。あー、何部から来るんだろう……どこからも来なかったらどうしよう~!!
桃園綾芽
ええ、優理香は大丈夫でしょ
鴨見璃奈
うん、そうだと思う。優理香ちゃんは明るいから。きっといろんなとこから来るよ
私の隣の席で本を開いたまま話を聞いていた鴨見璃奈がぱっと顔を上げた。優理香は彼女の言葉に首をかしげながらも、内心嬉しそうににまにましている。
木島優理香
ええ、そうかなあ?それから、呼び捨てでいいんだけど
鴨見璃奈
んー、呼び捨てはあんまり、慣れてなくて
璃奈は優理香と正反対のような人物。どこまでも明るくて、人が自然と寄ってくるのが優理香。静かで、暗めの雰囲気があるうえ、いつも席で本をものすごいスピードで読んでいるのが璃奈だ。
木島優理香
でもほら、璃奈は特技とかあるでしょ?
鴨見璃奈
速読……?使えないよ
桃園綾芽
あ、先生きた
そこで先生が来たため、私たちの井戸端会議は終了。私が優理香と自分の席で話しているときに、優理香が璃奈を混ぜたことで出来上がった性格ばらばらな3人組。早くに優理香に呼び捨てにするよう頼まれて、私は呼び方を変えたが璃奈は変えないように、それぞれの明るさもばらばらだ。


だがこのときはまだ、これが部活スカウトにも作用するとは思ってもみなかった。
岩島先生
それでは部活からスカウトが届いているので一人一人に配ります
名前をよばれて、教壇のところへ封筒を受け取りにいく。この封筒の中に、スカウトされた5団体の活動内容がそれぞれ記された紙が入っていて、この中から1団体を選ぶようだ。
岩島先生
赤ペンで印のついている部活が一つだけあるはずです。そこが君を一番必要としている部活になります。あくまでもこの5団体で選ぶのは自由ですが、どこに入るのが自分を一番役立てられるかも考えて、決めるように
私は何部からスカウトが来ているのか、とわくわくしながら封を切った。

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