あなた「わ〜、懐かしい……というかネット低いねー」
当時の私たちには十分高かったのに…本当に、懐かしい。
黒尾「確かこの支柱伸ばせるやつだろ??」
研磨「うん、ここを回せば……」
黒尾「……ぃよしっ!こんなもんだろ、やるか!バレー!」
おぉ……ほんとに高くなった。
あなた「私研磨のトスでスパイク打ちたいっ」
研磨「……うん、いいよ。じゃ、いくよ?」
あなた「お願いします!」
トンッっと、静かにボールが上がる。
研磨のトスだ。
タタっ ___ __バン!!!
あなた「〜~っっ!!やっぱいいね、バレー…は??_____どうしたの?」
研磨「……あなた、ユースとかから声かかってないの??」
黒尾「こりゃー、さっきあの変人コンビ見たのに……俺らの周り超人ばっかだなぁ……」
ヤル気がなくなったように肩を落とす研磨はその態度とは反対に、目が生き生きしていた。
あなた「クロ、スパイク打ってよ私ブロックする、勝負しよ!」
黒尾「お、いいぞ〜!ぶち抜いてやらあ!…」
研磨「あなたは……変わったけど変わってないね」
あなた「??」
研磨(バレーになるとすごい食いつく所とか、全然変わってない。バレー愛がなだれ出てる所も…
なんか、安心した。)
黒尾「よしっ!じゃあ打つぞー」
あなた「うん……!」
集中。
_____今のクロは初見だ…観て…み__
??「!!っねーあれ!!バレーのネットじゃんっ!!やろーよ!!」
???「っいやまずバレーボールねぇだろーが!てか先客いんだろっ考えろっ!」
______……何??
研磨「……あれ……さっきのラーメン屋に居た人たちだ……」
……あー、あの人達か……
〜ラーメン屋にて〜
あなた「っ!美味しーね、このラーメン!」
黒尾「だろー ?結構有名だからなぁこの店
……オラ研磨!ラーメン1杯じゃダメだぞ!替え玉か米食え!」
研磨「えぇ……別にっ__」
「おい!及川あ!!それ俺のチャーハンだろっ!!何しれ~ッと食ってんだよッ!」
「っ別にいーじゃん〜そんなケチケチしないの、心は広く!ねっ岩ちゃん!!」
「ッ!!クズ川がっ!!」
……なんかすごいわーぎゃー言ってた人達だ。
しかもその人たち確か……
「やっぱり俺ら行きつけの珍道中には敵わないね~」
「お前がどうしてもって言うからわざわざ東京来たんだろーが」
「まぁまぁ岩泉、いーじゃん、帰りの新幹線とこのラーメン代、及川が払うんだから」
「ぇぇえ!!聞いてないよッ!?」
「「「ごちでーす。」」」
「ちょちょっ!!……ラーメン代はともかく、新幹線は無理だからね!?ここから宮城までのを4人分とか無理だからね!?」
-----------------------------
……そう、研磨とかクロがさっきまで居た宮城の人っぽいんだよね。
??「すいませーーん!!」
……えぇ…結局来るんだ……いいとこだったのに……
1番うるさそうな人が、満面の笑みで河川敷に降りてくる。
黒尾「……なんでしょーかぁ??」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。