らんside
こさめが夜に出掛ける
それは珍しくない
何しに行くのか?
それは知らないよ
っていうか知る必要もないし
プライベートなことまでは踏み入らない
近いようで遠い関係
それが俺達
でも今日は違った
こさめが帰ってきてご飯を食べてるとき
こさめの手には傷が入っていた
珍しいな…
喧嘩なら誰にも負けないこさめが怪我なんて
本人は掠っただけって言ってるけど
そんな傷じゃないのは俺達も分かってる
何かあったのかなと思い、聞こうと思ったけどやめた
深入りしすぎないように、
もう二度とあんな思いしたくないから
俺たちにはそれぞれ過去がある
まぁ過去は誰にでもあるんだけど
人より暗い過去かな
それが今の俺たちを作っていた
こさめ
こさめの家は貧しかった
なんでかって?
お母さんが使っちゃうんだよねえ
こさめがまだ幼いころにお父さんをなくした母親は
その日を境に壊れた
暴力を振るうわ、毎日男を連れ込むわ
連れ込んだ男に殴られたこともあった
そう、こさめを守ってくれる人なんていなかった
お金もないから自分で何とかしないと
自分を守れるのはこさめだけだから
すち
前に誘拐されたことがあった
お母さんと一緒に
雷がひどい夜だった
何とか俺は助かったけど、お母さんは死んだ
俺の目の前で
俺をかばって死んだんだ
その日から、夜は眠れなくなった
またあんなことが起こるんじゃないかって
お父さんはお前のせいじゃないって、
お母さんが守ってくれた命なんだから大切に生きるんだぞって
言ってくれたけど
そんな風に思えるなんて、あの時の俺には無理だった
病院の人には、不眠症だって
かなり重症らしくてどうしても眠れない時のために
強めのお薬を出してもらった
学校に寝坊で遅刻するのも、居眠りしちゃうのも、したくてしてるわけじゃない
だけど、みんなにはこのことは言ってないから
らんらんとこさめちゃんには言ってある
意外に二人はすんなり受け入れてくれた
つらかったねって
受け入れられた気がした
らん
俺は昔は所謂"優等生"だった
でもやりたくて優等生してるわけじゃない
厳密に言えば褒められたいからしてるだけ
テストで百点取ったり
通知表の成績がよかったときに
お父さんとお母さんはいつも
頑張ったね、すごいねって言って褒めてくれた
それがうれしくて俺はいっぱい頑張った
褒めてもらうために
でもそんな日々もずっとは続かなかった
ある日、お母さんが過労で倒れた
病院に運ばれたけど、もう遅かった
その後、お父さんが再婚した
でも連れて来た女は最悪だった
父親がいる時は媚び売って、仕事で忙しいときには俺にきつく当たる
ずっと思っていた
"お母さん"に会いたい
あの女を母親呼ばわりしたことは一度もない
もう俺が頑張る理由は何一つない
またお母さんに頑張ったねって優しく撫でてもらいたい
お父さんは心配してたけど
過去
ある日 らんside
俺は家の近くの橋の上に来ていた
その日は土砂降りだった
でも俺は傘も差さずにびしょぬれで立っていた
あぁ、お母さんに会いたい
そう思ったのがきっかけだった
高校に進学することも決まっていたけど
そんなことどうでもよかった
手すりに手をかけ足で跨ぐ
下では茶色く濁った水が激しく流れて水しぶきをあげる
手すりから手を離そうとしたとき
ガシッ
この子は…クラスメイトの子…
確か、すちくん…で一緒の高校を受験したんだっけ
そんな時
ズルッ
落ちる
そう思い目をつぶったが、いつまでたってもその時は来なかった
目を開けてみると…
グイッ
俺すちになんかしたっけ
こさめ…?
そこにいたのは、いつもと雰囲気が違うこさめがいた
いったん切ります!
誰か24時間配信の画録あったら下さい…!泣
詳しくはこっちの方で↑
誰か神様おられましたらお願いします(土下座












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。