爽「涼っ!!居るなら開けろ!!」
俺は直ぐに涼の家の前に来て
インターホンも鳴らさずにドアを思いっきり叩いた
叫んでいた効果もあったのかドアは渋々感は
あるもののゆっくり開いてくれた
涼「…連日して客来るなよ」
爽「そんな堅いこと言うなよ、別にいいだろ?」
涼「まぁ入れよ、家の前で騒がれたくないし」
爽「んじゃ失礼しまーす」
そう言いながら俺は涼の家に入った
そして真っ先に和室にある祭壇に向かった
爽「もう、3年…か…」
涼「あぁ…時の進みって早いよな」
昨日___つまり湊が訪ねた日は涼のご両親の命日
3年前の昨日 涼のご両親は涼が学校に行ってる間に
出かけ、その時に交通事故に
巻き込まれ亡くなってしまった
相手の運転手は高齢の方で飲酒運転をし
アクセルとブレーキを間違えたそうだ
葬式にはもちろん俺ら3人も参加した
親も あの日の司会進行はこいつで
あいつは涙を見せなかった そして
高一の冬以降こいつは独りだ
涼「…今でも思うんだよ…」
そう言われ俺は涼の方をすぐに向いた
涼「あの日、俺が熱出してりゃ
出かけるなんてこともなかっただろうし」
涼「俺があの日、出かけないでほしいって
引き止めてれば良かったって」
そう悲しそうに、切なそうに言った
涼「でも俺は…っ___」
爽「”優しい”から止めれなかったんだよな」
涼「ッ…」
こいつのことは分かる 1人を置いて出かけられる
のはとても悲しい でもその反面、いつも迷惑を
かけているから楽しんできて欲しい
だから止めることが出来なかった
爽「お前のした行動は間違ってないよ」
「誰もお前を責めたりしないよ」
「そんな奴いたら俺がぶん殴るけど笑」
「とにかく今は気楽に考えろよ」
「色んなことが重なりすぎて今気持ちは
お前のことだろうからネガティブなんだろ?」
「だったらポジティブに考えようぜ?」
「大学入試まであと1ヶ月もない」
涼「っ!!」
「俺が勉強教えてやるから受けろよ」
「お前頭はいいんだからすぐ覚えれんだろ?」
涼「で、でも俺っ…」
爽「あんなやつの言葉は無視しとけよ
先生もお前の才能が悔しいだけだよ」
「だから絶対合格してお前の両親にも
笑顔で報告して、あの女どもも先生も見返そうぜ?」
俺は俺に出来る精一杯の言葉を伝え
あいつの肩に手を置いた
涼「じゃあ頼みますよ、学年2位?」
爽「煽ってんのか?学年1位」
「俺とお前が組めば”最強”だ」
涼「最強の相棒ってか?」
爽「調子いいことばっか言うなよ」
「分かったら早く勉強道具もってこい」
「今から勉強すんぞ」
涼「へーへー、鬼教師」
涼が部屋に行くのを見送りながら俺は
リビングの椅子に座った
来た時よりもあいついきいきしてて
安心してる
とりあえず湊には受験終わったら説教だな…
泣きわめく姿が安易に思い浮かべられる
それで凛に俺が説教をくらいそれを止めにかかる涼
そう考えながら俺は不思議と笑みがこぼれた












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!