新築の家ーー避難所兼役所ではしゃぎ回る子供達。
建築技術は、輸入じゃなくて輸出だ。
iwlには元から建築技術はあった。
キャノーラは輸入された情報しか知らないが、
町には元からあった技術だ。
「おぉー!」
まずは材料。
カラマツ、スギ、ヒノキ、マツ。
柔らかい木だから、地震にの耐久性もある。
柔らかいから地盤沈下の変動に合わせやすい。
これらの木は、近くーー3kmくらい離れた森林にある。
ここは氷に囲まれた浮島みたいなもの。木は生えないが、花くらいなら生える。
食料には問題ないが、建築に使う木が採れないから、再利用し過ぎて木材が弱っていた。
3km離れた地点に雷獣とキャノーラが木を採りに行って、落雷で斬る。
それを町で俺達が建築した。
次は重さの分散。
地盤沈下を均等に行わせるため。
土台を広く造り、屋内の家具等の配置で重さを調節する。
これくらいできないと、ツリーハウスはできない。
バランスがとれないってことだからな。
そして、杭を打つ。
地盤の支持力が上がるから地盤沈下が起こりにくくなる。
今回は役所(避難所)の近くを優先的にやった。
一応言うが、俺たちだけで建築したんじゃない。
村のやつらも、子供にだってとことん働かせた。
「ワーワー」
…
こうなるから子供は嫌いだ!
「ワーワー」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!