それは少し肌寒くなってきた頃
最愛の人が癌に侵された
すい臓がんステージⅢ
5年後の生存率5.0~6.0%と言われた
その日は季節の割には少し暑くて昼間のパトロールでは冬服では暑すぎた
いつも通りの日々見慣れた街並みだった
だけどある1本の電話で今までの幸せが壊れた
プロとして独立して早3年
と言っても今年で25歳を迎えたばかりだった
2年前真夏の暑い日にプロポーズされた
それからは早かった毎日が怒涛のような忙しさだった
その中でも鋭児郎のことはずっと見ていたはずだった
電話の後急いで病院に行くといつものようにヘラりと笑って私を迎えた
私がすべてを聞いたことをすぐに悟った
今思うと最低な事をしたと思う
悲しさのあまり部屋を飛び出してしまった
鋭児郎の方が辛いに決まってるのに
次の日から鋭児郎は仕事に復帰した
もういつ死ぬか分からない
私は仕事に出られなくてひたすらネットサーフィンを繰り返した
この個性社会きっとどこかに居るはず
癌を治せる個性の人が
するとある記事が目に止まった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。