きょうは非番。
朝からゲームざんまいしようと思ったが、同じく非番のあなたが部屋に来てくれた。
あなたは第1部隊隊長であるボクの補佐官で、ボクの大事な彼女である。
周囲からは「補佐官はお世話係」なんて言われて揶揄されているが、あなたの実力はなかなかのものだ。
ボクの背中を任せるに値する人物だと思っている。
「で、さっきからあなたは何しているんだ?」
「……ネイルケア」
よほど集中しているのか、こちらすら見ないで単語で答えられる。
先ほどからあなたは何やら棒状のやすりで爪を削っていた。
「ネイルケアか、それはボクに構うより大切なことなのか」
「うーん、弦の体に引っかき傷をつけないために必要なことではあるかな」
「そーか、引っかき傷ならいくらでもつけていいからボクに構え」
「うーん、あとちょっとで終わるから待って」
せっかく2人きりなのに!
ボクは爪のケアに負けるのかッ!
「なぁ、あなた、こっち向け」
「んー、待って、弦」
「わかった、邪魔はしないからハグしていいか」
「うん」
了承を得たのでボクはあなたを後ろから包み込むように抱き締める。ベストフィットとはこのことだな。
あなたの右肩に顎を乗せ、爪を飾っている手元を見る。確かに爪は綺麗に揃えられていた。
「あなたは手も爪も綺麗だな」
「ありがと」
「そろそろ終わるか?」
「うん!終わった……わぁ!」
終わったと聞くやいなやあなたを強く抱き締め、肩口にぐりぐりと額を押し付ける。
「弦!髪が当たって、くすぐったい」
「それくらい我慢しろ!ボクを待たせた罰だ!」
体をよじるあなたをグッとホールドして耳元に口を近づけ、耳たぶを甘噛みする。
「あっ!ちょっと……!」
「さぁ、あなた!ボクの番だぞ、ボクのケアしてくれ」
「なによ、弦のケアって」
「んんん、なんかこう、たくさん撫でたり触ったりしてくれ」
「撫でたり触ったりって同じじゃない?」
「うるさいぞ」
口では揚げ足をとってくるが、あなたは優しく頭や背中を撫でてくれる。
気持ちよくて力が抜けていきそうだ。
「ゲームした後、夕方からちょっと出掛けないか?」
「いいけど、弦が出掛けたがるの珍しいね」
「お台場のガンドムのライティングが今日から変わるらしい」
「なるほど」
「でも、まだあとちょっと、甘えさせてくれ」
「もちろん、お疲れ様、弦」
ボクはあなたの優しく撫でる手の動きに体を委ねた。
年齢制限付きの続きを書きました。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!