第11話

:珈琲の匂い、唇の色
2,936
2024/02/19 08:13
中原side
あなた
此処
あなたの下の名前が指差す方向に顔を向けると、其処には看板に"うずまき"と書かれていた。
芥川龍之介
芥川龍之介
此処は……
芥川龍之介
芥川龍之介
探偵社の真下ッ!?
中原中也
中原中也
おいおい、勘弁してくれよ……
俺と芥川は其々驚き、困惑の声を漏らしながらあなたの下の名前に顔を向ける。
中原中也
中原中也
手前は探偵社とマフィアを正面衝突させたいのか!?
芥川龍之介
芥川龍之介
……此方側が勝ってしまうが……
芥川、今は勝ち負けの話じゃねぇ……
あなた
まあ、落ち着いて
あなた
マスターの珈琲は最高に美味しいよ
そう云いながら、俺等の手を引くあなたの下の名前。
芥川龍之介
芥川龍之介
もし、探偵社が僕等を攻撃するような素振りを一つでも見せたら
芥川龍之介
芥川龍之介
容赦なく、切り刻む
中原中也
中原中也
嗚呼、芥川に同感だ
あなた
……そうするならそうしてもいいけど、
あなた
貴方達から手を出したら私とて容赦なく
あなた
殺す
中原中也
中原中也
(凄え、殺気……)
芥川龍之介
芥川龍之介
そうか……
やがて、あなたの下の名前は笑顔に戻ると、俺達を店内へと案内した。
芥川龍之介
芥川龍之介
……美味いな……
中原中也
中原中也
こんな美味いもんなんだな、珈琲って……
あなた
でしょ?
芥川と俺は珈琲を一口啜ると、声を零した。
その反応が満足だったのか、無邪気な笑みを見せるあなたの下の名前。
あなた
矢っ張り、珈琲はブラックが美味しいよ
芥川龍之介
芥川龍之介
そうか?
芥川龍之介
芥川龍之介
角砂糖を入れた物の方が断然美味い
あなた
……そんなに甘いの飲んだら糖尿病で死ぬよ?
芥川龍之介
芥川龍之介
貴様、数個の角砂糖にそれ程の殺傷能力等存在せぬ
俺は、何処か二人の会話が微笑ましく聞こえてしまい、笑みを零したがやがて直ぐに消えた。
あなた
じゃあ、ブラック飲んでみなよ
芥川龍之介
芥川龍之介
僕、無駄な出費は避ける
あなた
否、新たに注文するんじゃなくて私のやつ一口あげる
芥川龍之介
芥川龍之介
なッ……/
あなた
代わりに龍之介の珈琲一口頂戴?
芥川龍之介
芥川龍之介
あなたの下の名前、それは無自覚で云っているのかッ……?
あなた
ごめん、潔癖症だった?
芥川龍之介
芥川龍之介
そういう訳ではないが……
芥川は少しの照れを見せると、あなたの下の名前の提案に乗った。
中原中也
中原中也
ッ……
俺が眉を顰めると、芥川は視線に気付いたのか、ニヤリと不適な笑みを俺に見せる。
中原中也
中原中也
芥川ッ……!
芥川龍之介
芥川龍之介
貰うぞ
あなた
うん、いいよ
芥川はあなたの下の名前が先程迄口を付けていたカップに細く、白い指を掛けると口に近付ける。
中原中也
中原中也
チッ……
俺が苛立ちの舌打ちをすると、店内入口の扉が音を立てて開いた。
太宰治
太宰治
女給さん、今日こそ是非私と心中を……
太宰治
太宰治
は?
中島敦
中島敦
太宰さんいい加減に、仕事を……
中島敦
中島敦
あなたの下の名前!?
中島敦
中島敦
其れに加え、マフィア迄!
芥川龍之介
芥川龍之介
人虎ッ!
太宰治
太宰治
何で、蛞蝓が私の愛しいあなたの下の名前ちゃんといるんだい?
中原中也
中原中也
あ゙ぁ゙?イタい勘違いすんじゃねぇよ
中原中也
中原中也
あなたの下の名前は俺のモンだ
一瞬で、修羅場となった。

アンケート

夢主への歪んだ愛故のリスカは?
中島敦
19%
太宰治
33%
誰もやらない
48%
投票数: 1295票
いい勝負してたんで、もう一回やります。
回答、お願いします🙇
また次回

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