私は血の流れる足を引き摺りながら探偵社の扉を開くと、私に気付いた与謝野さんが慌てた様子で駆け寄ってきた。
与謝野さんは私を軽々と持ち上げ、姫抱きする。
与謝野さんは男前に笑うと、私を医務室まで連れて行った。
寝具に私を座らせてからの第一声はそれだ。
私は何時の間にか与謝野さんの手によって寝具へ固定されており、目を開けば与謝野さんの不気味かつ綺麗な笑顔しか瞳に映らなかった。
チェーンソーが自分の眼前迄迫ってくる。
ふと思い出した。
与謝野さんは"男尊女卑が嫌い"だという事を
与謝野さんはカラカラと軽く笑うと、私の頭をそっと撫でた。
先程の笑みとは打って変わって哀しそうに溜息を吐く。
扉を勢いよく開き、肩で息をする男性は潤一郎さんだった。
ふと、違和感を覚える。
与謝野さんが違和感を口にし、私を庇うようにして前に立つ。
そう云った途端、潤一郎さんではない"誰か"が目を見開き、不敵な笑みを見せた。
にこにこと勝手に話を進めるニコライは何処か狂っている。
申し訳無そうに項垂れながら医務室に入ってきた潤一郎さんを、私は心底気の毒に思った。
皆さん、GWは何して過ごします?
私は友達と謎解きイベントに行きます。
馬鹿な主なんで、一問も解けないと思いますけどね……
また次回
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。