第6話

喧嘩(2)


〈玲於side〉



最上階に着いて

練習室に向かう途中の自動販売機で


あなたさんが好きないちごミルクを買う。


これあげたら

玲於ありがと!!
ってまたあの笑顔で笑ってくれるかな


とかそんなこと考えて

練習室のドアをそっと開ける



静かに中に入ると


やっぱりあなたさんが居て
玲於
玲於
……っ

あなたさん。

って声を掛けようとしたけど
途中で詰まった訳は



あなたさんの顔から雫が一つ零れたから



あなたさんは泣きながら
練習してて



………もう、泣かないで
玲於
玲於
…あなたさん
貴方
貴方
……っ?!?!
玲於、?!
玲於
玲於
お疲れっす
貴方
貴方
え、なんで?!
玲於
玲於
なんでだと思います?笑
貴方
貴方
いや、分かんないけど………
玲於
玲於
ふはっ笑

いちごミルク渡す為~


とか、そんな冗談
貴方
貴方
えぇ、ありがとう、笑


あなたさんは優しく微笑んで
いちごミルクを受け取ろうとするけど


俺はペットボトルを離さない




ん?って顔で見てくるあなたさん
玲於
玲於
但し、貰うためには条件が。
貴方
貴方
え、?笑
なになに、笑
玲於
玲於
……涼太くんとあったこと。

話せるだけ俺に話してください


そう言うと、一気に顔が
笑顔から苦笑いに変わって
貴方
貴方
…さっき言うって言ったし、、笑

うん、良いよ
玲於
玲於
よし、

……はい。どーぞ
貴方
貴方
ありがとう。笑
そう言って微笑んだあなたさんの顔は

すごく落ち着きがあって。


やっぱ大人だな
ってふと思った




〈あなたside〉
玲於
玲於
緊張するなら、
練習しながらでも良いですよ


って、言ってくれる玲於


じゃあそうするね。
って返して



マネキンに男性用のカツラを被せて
アレンジしていく
玲於
玲於
…まず、喧嘩…ですよね?
貴方
貴方
うん、そうなの
玲於
玲於
なんで喧嘩したんすか?
貴方
貴方
……あの、玲於と飲みに行った時あったでしょ?

その日ね、涼太に
午前様にはならないから安心して。
って言って家を出たから…
玲於
玲於
帰ったのは1:00だったから、
涼太くんは怒った。って、、??
貴方
貴方
うーん、まぁ、それもあるけど、、

お互いが意地張り合って
つい口調が強くなっちゃったんだよね、


それもそうだけど、


一番心にグサッってきたのは



”そんなに玲於が好きなら玲於と付き合えば?”
って言葉。



私はちゃんと、
涼太のことが好きなのに。


全てを否定された気がして
貴方
貴方
バカだよね、、笑
大人気ないな
玲於
玲於
……そうだったんすね。

俺も関わってたなら
ほんと、申し訳ないっす。

俺が涼太くんに謝ってきます

急に玲於がそんなこと言い出すから
貴方
貴方
いやいやいや!
大丈夫だよ。

これは私達の問題だから
玲於
玲於
いや、でも…
俺も関係ありますし…
貴方
貴方
大丈夫。
玲於
玲於
…そうっ、すか



そう言って
またマネキンの後ろにある椅子に座った玲於
貴方
貴方
……ていうか、

私、家無いや。


今気づいた
玲於
玲於
……え、??
貴方
貴方
涼太の家貸してもらってたからさ。

涼太、家に入れさせないと思うし……
玲於
玲於
………まじすか……
貴方
貴方
ホテル空いてるかな~……


ヘアメイクを辞めて
玲於の前の椅子に座ってから携帯でホテルを調べる。
貴方
貴方
うーん、、



空き部屋あるところはあるけど
結構な値段するし。

安いところは空き部屋がない。




困ってたら


前から
玲於
玲於
………俺ん家、、来ます?

なんて、そんな言葉
貴方
貴方
………え、、?
玲於
玲於
あぁ、いやいや。
変な意味じゃないっすよ。

ただその、、
悩むなら俺の家あるなーって…



大丈夫っす。
まじで変なことしないんで。

って言ってる玲於
貴方
貴方
え、本当に良いの??
玲於
玲於
あ、はい。
俺は大丈夫っす
貴方
貴方
………玲於が大丈夫なら……

お願いします……
玲於
玲於
はーーい。
あ、やべ。片付けたかな……笑
貴方
貴方
あっはは笑

片付けてないなら一緒に片付けよっか
玲於
玲於
あ、じゃあ夜ご飯何食べます?

どこ行きたいっすか?
貴方
貴方
……え?あぁ、

ご飯。作るよ
玲於
玲於
…え、、
貴方
貴方
あ……もしかして、
お母さんの手料理しか食べれない人?
玲於
玲於
あ、いや全然そんなことないっすけど、

良いんすか?
貴方
貴方
もちろん!
泊めてもらうんだし……
玲於
玲於
…長居する気ですか?
貴方
貴方
え。。だめ?
玲於
玲於
ふはっ笑
冗談ですよ。
もちろん大丈夫ですけど

こっち的にも仲直りくらいは早くしてほしいっす笑
貴方
貴方
あ、ごめんね笑


いや、でも手料理が食べれるなら
仲直りはしなくていいかもっす。

とか言ってる玲於に笑って



今日はもう帰って
夜ご飯の買い物
貴方
貴方
よし。買いましょう
玲於
玲於
はい、メニューはなんですか?
貴方
貴方
今日はーー??

唐揚げでーす
玲於
玲於
え、!っしゃ!
貴方
貴方
あはは笑子供か、笑
玲於
玲於
まじ唐揚げ好きなんで、笑
貴方
貴方
わかった。
それじゃあそんな佐野氏に任務がある
玲於
玲於
なんすか?
貴方
貴方
卵取ってきて!笑
玲於
玲於
おつかい。。。笑


そんなこと言いつつも取ってきてくれる玲於は
本当に優男だと思う


帰り道でも袋は重い方を持ってくれて
車道側を歩いてくれる。



重い?って聞いたら重くないっす!
ってすごい笑顔


家に着くと

片付けてないかも…って心配レベルの汚さじゃない
逆に綺麗で、背筋が伸びる




それからは唐揚げ作って
玲於が食べたら


玲於
玲於
………うまっっっ…………

あぁもう仲直りしないでください。笑
貴方
貴方
あっはは笑
それは良かった笑


それでまた笑って気付いたのは

すごく自然に笑えてるようになってること。




こんなことがあって
すごく落ちてた気分が一気に上がって


玲於はやっぱりすごいな。
って笑いながら思ってた


この時、今までの気持ちの蓋が
開きそうになってることは自分も知らなかった