翔太︰side
外はもう真っ暗になっていた
さすがにもう帰ろうと
アパートを出ようとしたころ
あなたの下の名前の姿
渡辺翔太「あなたの下の名前、」
大島あなたの下の名前『もぉ〜、笑からかわないでくださいよ』
深澤辰哉「ふふふ笑人が円形に集まって来て面白かったねー」
大島あなたの下の名前「それはそうですよ、昼間から屋外であんなことしてたら、」
深澤辰哉「昼間の屋外じゃなかったら、ありだった?」
大島あなたの下の名前『……、』
ぱちりと目が合う
大島あなたの下の名前『翔太…、また来たの、!?』
渡辺翔太「また来たの……、?」
大島あなたの下の名前『………。』
渡辺翔太「駅前のビルにリサーチしに来ててそういやお前ん家近かったなあって思い出して寄ってみた、しかし遠いわ!立川ぁ!」
大島あなたの下の名前『私、これから予定あるから、!』
深澤辰哉「……。」
渡辺翔太「予定って何」
大島あなたの下の名前『隣のうららちゃんとトランプする約束してるの』
渡辺翔太「じゃあみんなでやる?」
あなたの下の名前︰side
吉永「はい配るわよ」
なにこれ
渡辺翔太「これ、知ってる学生時代めっちゃ通ってた!」
深澤辰哉「ほんとに?」
なにこれ
渡辺翔太「あぁ笑」
深澤辰哉「今度イベント来てよフライヤー送る」
渡辺翔太「あー行く行く」
なにこれ
渡辺翔太「ごめんねうららちゃん、知らないおじさん混ざっちゃって」
うらら「別にいいよ笑、あなたの下の名前ちゃんの友達なら」
渡辺翔太「あーめっちゃいい子笑」
吉永「はい、配り終えたわよ」
渡辺翔太「ばばあがばば配ってんのってレアすね」
吉永「渡辺くん!」
みんな「あはははははWWW」
空気が全部持ってかれる
怖い、
うらら「またあなたの下の名前ちゃんの負けー?」
深澤辰哉「5連敗ってある意味持ってるね」
大島あなたの下の名前『すみません、私昔からこういうゲーム弱くて…』
渡辺翔太「知ってる?ホットポテト理論ってのがあってさ、」
うらら「ホットポテト、?」
渡辺翔太「アメリカのゲーム。輪になって、熱々のホットポテトに見立てたボールを回して、音楽が止まった時に持ってるやつが負けっていう
で、そういうので負けるヤツって最初から決まってるらしい。
アッツアツのポテトを誰に投げるかって言ったら、集団心理の無意識で気が弱くて支配しやすいやつのところにボールが回ってくるんだって」
彼が私を見つめながらばばを避けて
トランプを引く
渡辺翔太「でも、俺逆だと思うんですよねー。ばば引くやつって、最初っから本当は自分が喜んでババ引いてんじゃないかなーって
虐げられてる、耐えてる、断れない、いい人で優しい自分に本当はうっとりしてんじゃねーかなーって」
うらら「やったー!」
うららちゃん、吉永さん、ふっかさん
次々と抜けていく
残るは私と翔太
ばばは私が持っている
渡辺翔太「本当は、投げて欲しいんでしょー?アッツアツのポテト、欲しくて欲しくてたまらないんでしょー?ジョーカーが」
そうだ
私はこの人の
この目が怖くて
何もかも見透かされてる気がして
空気に飲まれる
嫌だ、
苦しい…
深澤辰哉「でもさー、さっきのホットポテト、俺んとこ回ってきたら、俺多分食っちゃうなー」
大島あなたの下の名前『え、?』
深澤辰哉「だって美味いもん、熱々のポテト」
渡辺翔太「あぁ、笑」
ふっかさんは私を見つめる
大島あなたの下の名前『はは笑 そうですよね、美味しいですもんね!おいも』
深澤辰哉「うん!芋うまいよねー」
うらら「ははは笑」
うん
そうだ、
私は翔太に目線を合わせ
大島あなたの下の名前『もう、逃げないから』
渡辺翔太「はぁ?笑」
彼は私のトランプに手を当て
私の表情を伺う
渡辺翔太「……、?………、」
パッと彼は1枚
私が持っていたジョーカーを引いた
大島あなたの下の名前『やったぁー!』
うらら「やったぁー!」
あなたの下の名前、うらら「いえーい!」
うららちゃんとハイタッチをする
渡辺翔太「ちょっと待って、ばば俺も持ってんだけど」
大島あなたの下の名前『えっ?』
途中で部屋から出て行った吉永さんが戻ってくる
ガチャ
吉永「あらー?どうかしたの?」
深澤辰哉「あー、ばばが2枚入ってたみたいで」
吉永「いやだー!配り間違えちゃったかしら」
深澤辰哉「ごめんね、なんかラストなのに2枚ずつ持ってんのおかしいなーって気づいてたんだけど、
白熱してたから水させなくて」
吉永「お詫びって言ってはなんだけど、お鍋丸ごとじゃがバター」
深澤辰哉「えー!」
うらら「いいにおーい!」
大島あなたの下の名前『おいしそー!』
吉永「ホットポテトの話聞いてたら、食べたくなっちゃって笑」
大島あなたの下の名前『いただきます、!笑』
吉永「暖かいうちに食べて!」
渡辺翔太「……、」
うらら「おいしそう笑」
ベン
トランプを床に叩きつける音
渡辺翔太「寒っ、ちょっと用事思い出したんで帰りまーす」
吉永「おいもはー?」
渡辺翔太「苦手なんすよねーアットホームごっこ笑
反吐が出ます笑ってことで失礼しまーす」
ガチャ
大島あなたの下の名前『すみません、あの人ちょっと口が悪くて…』
深澤辰哉「いいの?帰っちゃったけど」
大島あなたの下の名前『あー、いいんです!仕事ついでにからかいに来ただけだし笑』
吉永「でも、あの人何時間もずーっとあなたのこと待ってたのよ」
大島あなたの下の名前『え?』
吉永「あっ、そーだこれね!あなたにって」
うらら「白い恋人だ」
大島あなたの下の名前『……、』
私は急いで家を出て彼を追った
大島あなたの下の名前『翔太、!』
彼はアパートの階段のところにいた
大島あなたの下の名前『あ、えっと…駅まで送ってくよ、』
渡辺翔太「いーよ、お前いも食ってろよ」
大島あなたの下の名前『あの、お土産ありがとう…
もしかして、覚えててくれたの?
これ私が好きだって』
吉永「男女の悲劇の引き金はね、
いつだって言葉足らず…
彼はただ好きって伝えるだけでよかったのよ」
渡辺翔太「………、
俺、ただ…ずっと、」
大島あなたの下の名前『えっ?』
渡辺翔太「だから、
俺は、ずっと……
お前の顔が、み、タカッタ…」
大島あなたの下の名前『え?なんて?』
渡辺翔太「だから、!」
ガチャ
深澤辰哉「あなたの下の名前ちゃん、あばいばーい」
翔太に手を振るふっかさん
その姿を見るだけで笑顔になる
渡辺翔太「……、」
急に翔太に体の向きを変えられ
そのまま口にキスをされた
……、
深澤辰哉「………、」
大島あなたの下の名前『は、?』
渡辺翔太「すき、」
大島あなたの下の名前『………、』
渡辺翔太「……なんだろ、俺の事、!
気引きたいのは十分わかったからさ笑そろそろ素直になって戻ってこいよ」
ペチン
私は彼の頬をビンタした
大島あなたの下の名前『バカにしないでよ!』
そのまま貰った白い恋人を
彼の胸に突きつけた
深澤辰哉「……。」
𝒏𝒆𝒙𝒕↪












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!