レイナが自信に満ちた、でもどこか怖さすら感じるほどの穏やかな微笑みを浮かべた直後だった。
廊下の空気が、ピリリと張り詰める。
聞き慣れた、低く冷たい声。廊下の影からスッと現れたのは、包帯で少し顔を隠し、どこか浮世離れした雰囲気を纏う男、レンだった。
彼は首元に飼い慣らした小さな蛇を這わせ、その蛇と同じような、執拗で鋭い眼光でケンジを射抜いた。
カイトが声を上げるが、レンはカイトの方を見ようともせず、ただケンジ一人をロックオンしていた。その姿は、まるで獲物を狙う蛇そのものなのだ。
ケンジが懐から出した黒い紋章の欠片が、レンの言葉に反応するように、禍々しい紫色の光を放ち始めた。
その光は、ハルカたちが持っている地図の紋章と激しく反発し合い、廊下に衝撃波のような風を巻き起こす。
ハルカが静かに一歩踏み出し、レンの前に立つ。彼女の背後には、生徒会長としての威厳を物語るような、凛とした空気が流れていた。
ハルカの瞳が、冷たく光った。その笑顔の裏には、学園の秩序を守るためなら手段を選ばない、鉄の意志が宿っているのだ。
















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。