第2話

ありがとう②
44
2026/04/12 13:21 更新
ときは流れ、22歳



あの会話をした日以降も、その前も、その時も、

俺は一回もありがとうなんて言わない

太宰も、そんなこと言わない



でも、その距離感が丁度良くて、俺たちは、これくらいが丁度いいんだって思った
____一本のボイスメッセージが届いた

最近の俺はどうにもやる気が出ずに、

真夜中に外へ出て、星を見上げることが多くなった


彼奴の使っていた執務室へ続く廊下を歩いたり

飯を振舞ってやった、暮らしていた部屋に行ったり






歩きながら、座りながら、ボイスメッセージに耳を傾ける

このメッセージだけだ

あの馬鹿の声が聞けるのは
太宰
僕が君に感謝を伝えるなんて、死んでもないよ
彼奴の言葉が蘇る





_______________ありがとう、中也








嘘つきの声が聞こえる








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