第8話

一緒だよって約束
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2026/01/03 11:10 更新



その日、空は異様に静かだった。



いつもなら、星々が煌めく夜空が、今日はまるで黒い幕のように重く感じられた。



空のどこかに、あの彗星が迫っていると思うと、息が詰まりそうだった。



「もう、あれが最後だ。」



ぷりっつが呟いた。



あなたは静かに、でも強く頷いた。



「うん、分かってる。」



世界中の人々が、彗星衝突の瞬間を迎えようとしている。



避難所も閉鎖され、ほとんどの人々が無力感に支配されている中、



俺たちは山の中にいた。



計画通り、最終的な避難地点に向かっていたが、



もうここまで来ると、逃げることすら無意味に思えた。



「あなた、覚えてる?」



俺はあなたの方を見た。



あなたは、俺の目を見つめたまま、無言で頷く。



「うん。最初に、あのプラネタリウムで見た星空のこと?」



「せや。」



俺は少し笑ったが、その笑顔には力がなかった。



涙をこらえたような表情だった。



「あの時、俺たちは一緒に星を見て、未来を語り合った。
 あの星空の下で、俺たちはずっと一緒だって約束した。」




「うん…」



あなたも、目を閉じてその時のことを思い出しているようだった。



「私、ずっとあの星空が好きだった。すごくきれいで、。
 でも、今はもう、あの星空も見えない。」



俺は静かに、あなたの手を取った。



その温もりが、今はただ頼りに思えた。



「でも、あなた。」



俺はもう一度、彼女の目を見つめた。



「どんなに星が消えても、俺たちは終わらない。俺たちが一緒に過ごした日々は、絶対に無駄じゃない。」



あなたは、俺の言葉に少しだけ力を込めて笑顔を見せた。



だが、その笑顔の中にも、深い悲しみと寂しさがにじんでいた。



「ありがとう、ぷり…」



あなたは小さな声で言った。



「でも、私はまだ…諦めたくない。」



俺はその言葉を聞いて、胸が痛んだ。



あなたが諦めずに最後まで希望を持ち続けてくれることが、どれだけ心強いか。



だけど、現実はもう、逃れられないところまで来てしまっている。



「あなた、もし…もしも、俺たちがここで…」



俺は言葉を飲み込んだ。



彗星が接近する音が、耳の中でどんどん大きくなっていく。



まるで、空が爆発しそうな気がした。



「でも、俺たちはここまで来たんや。最後まで、一緒にいることができてよかった。」



「ぷり…」



あなたは、俺を見つめるその目に、すでに涙が浮かんでいた。



「私も、あなたと一緒にいてよかった。ありがとう。」



その時、突然、空がひどく揺れた。



空の一部がまるで切り裂かれるように、光り輝き、そして、闇の中に消えていった。



彗星が、ついに地球に衝突する瞬間が訪れた。



その瞬間、すべてが止まったように感じた。



周囲が静寂に包まれ、風の音すら消え失せた。



大地が震え、目の前に何か巨大なものが迫る。



それが彗星だということは分かっていた。



だけど、それを直接見ることができないということが、逆に恐怖を倍増させた。



「あなた…」



俺は、震える声で彼女を呼んだ。



あなたは目を閉じ、静かに首を振った。



「ぷり、私は怖くないよ。
 ただ、ぷりと一緒にいられることが…それだけが、今は一番大事なんだ。」



その瞬間、彗星が地球に激突し、空が一気に火を吹くような光に包まれた。



地面が揺れ、空が割れるように感じた。



闇がすべてを飲み込み、何もかもが崩れ去っていく。



そして、何もかもが静まり返った。




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