新年を迎えた雄英生は
各々のインターン先へと足を運んだ
予想通り、俺はまたホークスから誘いを受けた
すなわちそれは再び連合に会うことを意味する
今は新幹線に乗り目的地へと移動している最中
俺の緊張をほぐそうと軽い
口調で話しかけてくるホークスだが、
逆にそれが癪に障った
次の目的地まではまだまだ
時間はあるのにどうも心が落ち着かない
両手を握ってその手を見つめた
両手を握りしめた手の上に
そっとホークスは自身の手を被せた
ホークスに横抱きされ眠ったあなたの下の名前を指さす荼毘
荼毘はホークスからあなたの下の名前を
受け取るなり頬に優しく手を添えた
艶のある真珠のような肌は冷たそうでなぞると暖かい
触るだけでは物寂しく感じた
荼毘はあなたの下の名前の頭にそっとキスを落とした
ホークスが密かに顔を顰める中、
荼毘はまじまじとあなたの下の名前の寝顔を見つめた
荼毘はそう言い残して眠るあなたの下の名前と共に暗闇に姿を消した
起きると椅子には荼毘が座り
知らない部屋で手を拘束されていた
ホークスの姿が見当たらないことから
俺が引き渡されたあとだということがわかる
そして覚えのある匂いが
鼻を撫でるようにして香ってきた
こちらに手を伸ばした荼毘に肩がビクッとなった
そんな俺を荼毘は鼻でフッと笑った
ドスの効いたあなたの下の名前の低音が荼毘の頭に響いた
気味悪く笑う荼毘を見て表情筋がつりそうになった
荼毘があなたの下の名前を押し倒した瞬間だった
扉が開いて現れたのは
この部屋の主である死柄木弔だった
荼毘はそう言ってこの部屋を去った
それと同時に俺の気張っていた体から力が抜けた
普通に考えて自分より7つも
上の男、加えて自分を強姦した張本人だ
怖くないはずがない
イライラを剥き出しにして
コンビニの袋を乱暴に机の上に置いた弔
さほど痛くはなかったが
外してくれる可能性を考慮して痛いと伝えた
弔の俺への異常な執着心が身体を強ばらせた
いつの間にか顔が青くなっている
あなたの下の名前に気づいた死柄木はふっと笑った
一方俺は、弔の狂気的な
愛の重さに肝を冷やし息も瞬きも忘れていた
弔の声を聞くだけで体の芯が震える
そのぐらいに弔の言葉に嘘偽りはなく
真っ直ぐに歪んだ愛情が伝わってくるのだ
俺にしか見せないこの無邪気な柔らかい笑顔
それが今では無邪気だからこそ怖く感じた
弔は俺に手を回すと逃がさないと
言わんばかりの力で強く抱きしめた
この日から監禁生活が始まった
弔は暇さえあれば毎日ここに来て
挨拶のように俺にハグと軽いキスをする
もちろん飯も食べさせてはくれるが
この状態で食欲なんて湧くはずがない
荼毘は時々顔を出しては
手まで出すため出禁となったらしい
監禁されて三日、早々限界が来ていると感じた
自由を好む俺にとって監禁はまさに地獄そのもの
タイミングを伺って逃げ出そうと
思ったがこれは俺に任された任務だ
逃げればホークスによって俺の正体がバレる
逃げなければ連合の思い通りになるだけ
下手に動いてホークスが連合に疑われれば元の子もない
俺は冷静になって頭を整理させた
俺はホークスの助けを待つしかないのだ
今日は弔と見知らぬ男が部屋に入ってきた
毎日毎日、足音が近づく度にホークスが助けに
来たのではないかと期待してしまう自分がいる
その度に、助けを待つことしか出来ない
自分の情けなさを実感しては俯いて歯を食いしばった
見知らぬ男は仮面を外したミスターだった
通りで聞き覚えがある声だとは思った
死柄木は無言でコンビニ弁当を
開け箸をあなたの下の名前の口の前まで運んだが、
あなたの下の名前はそっぽ向いておまけに舌打ち
コンプレスも箸を持ち
あなたの下の名前の口元まで食べ物を運んでみるが…
案の定コンプレスでもダメで
食べる気がサラサラないご様子のあなたの下の名前
その姿はまるで薬を嫌がる子どものようだった
コンプレスの説得は上手くいかず
口を開けるどころか見向きもしないあなたの下の名前
聞いておいてシカトした
挙句、いまいちな返事を返す弔
ミスターと弔は部屋を出ていった
心の内でそう呟いたあなたの下の名前
大人びた一面もあれば子どもの
ような一面もあるのは実は本人も自覚済みで
一度は直そうとしたらしいのだが
根っからの性格上直すことは出来ず諦めたらしい
ちなみにOFA曰く、意地っ張りで
反抗心が強いのは昔からのことだそう_________
next…















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。