体育祭当日













『赤チーム強いね〜』






「そうだね今年こそ勝ちたいよね」






「てかあなた剣持くん誘えたの？」






『それがまだなんだよね...』






「え！？どうすんの！誰かに取られちゃうよ！」






『いや〜なかなか言い出せないというか』






『最近よく喋るんだけどいざ本人を前にすると言えないって言うか』





「あーね」


「とりあえず取られる前に取りなね」






『うん...』





『次○○の番じゃない？』






「あ、まじじゃん行ってくるわ〜」






『頑張れ〜』





























あと少しで始まっちゃうけどどうやって誘えばいいんだろう..







早くしないとなのに...







女の子たちが次々剣持くんに声をかけていく











中には学校1美人の○△さんもいる









あぁ、もしあの人に誘われたらきっと断らないだろう







もっとはなく声をかけてたら









なんて思っていたら自然に涙が込み上げてきた











こんな姿誰にも見せられない












どうか誰も気づかないで


























ひとしきり泣いた私は気づくと教室の自分の席で寝ていた




『んっ...』

『私いつの間に寝てたの...』



「あ、起きました？」

「おはようございます」

「大丈夫ですか？」



『へ？』


な、なんで剣持くんが目の前に！！


え？てか今何時？？


あれからどのくらい経った？



今絶対顔汚い


てかめっちゃ変な顔してるって！





なんてことを考えていたら剣持くんが突然笑いだした





「ﾌｯあははw」 

「なんですかそのアホ抜けた顔ww」



『かわいい...』

『あ...』


咄嗟に出てしまった


私は驚きつつ自分の口を手で覆った




「はぁ..面白い」




どうやら剣持くんは気づいてないらしい



ていうかどうして剣持くんはここに？




「どうして僕がここにいるかって？」



え？なんで分かるの！？

もしかして超能力！？


「なんで分かるのーって顔してますけど」

「普通に声に出てますよ」



え？


『え？ほんとですか』


「今嘘ついても意味無いでしょう」



『た、たしかに』


正論パンチキツイって; ;




「で、話戻しますけどどうして僕がここにいるかですよね」




はいそうです何故剣持くんがここにいるかみんな気になりますねはい


そのから音楽が聞こえるってことはもうあれの時間


さっきあの美人な方に誘われてて何故？


あれOKしたんじゃないの？？


？？？？





「..さ..ん...さん...あなたさん」


「話聞いてました？」


『へ？ごめんなさい全然』


「はぁ..1回しか言いませんからね」
























「フォークダンス僕と一緒に踊りませんか？」
























え？






剣持くんから発せられた言葉に未だに頭の処理が追いつかない





フォークダンス？？？






私が？？






剣持くんと？？？










さっきの美人な人は？？











『え？、な、なんで私と？？さっき誘われてた美人な人は、、』


「あれ？さっきの見てたんですか」


『あ、その、、ごめんなさい...』


「いや別に怒ってませんよ」


「あの方はお断りしました」


『え？なんで？あんな可愛いこと踊れるんですよ？？』


「僕は見た目より中身ですから」


「それに僕はあなたと踊りたいんです」


「どうです？僕と踊るのは嫌ですか？」









そんな...剣持くんが私と踊りたかった？？




もしかして夢でも見てるの？




もし夢じゃないならこんなチャンス逃せるわけない！





今日気持ちを伝えるんだ！！！








『わ、私でよければ...！』





「ﾌﾌｯありがとうございます」








「でも今から外に行くのは時間がかかりそうだし少し手伝ってください」












そう言い剣持くんは机と椅子をどかし始めた



私は状況を理解できないまま机を運んだ

「それではお手をどうぞ」




その言葉と同時に剣持くんは私の方に手を差し伸べた




『よ、よろしく、お願いします、、』



そう言って私は剣持くんの手を自分の手を重ねた







それから私たちは微かに聞こえる音楽似合わせて踊った




以外にも剣持くんは踊りが苦手みたいで少しぎこちない動きをしていた





誰もいない教室で二人きり外の微かな明かりに照らされて踊ってる




すごいロマンチックに感じた



















その後クラスメイトや周りに見つかって冷やかされたのはまた別の話....




















𝑒𝑛𝑑....