※ネガティブ要素あり
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あれから何日か経過した。
西谷くんは先輩さんと和解(?)し、部活動に復帰したみたいだった。
そしてホームルームが終わり次第、
田中くんや縁下くんたちとすぐに体育館へと向かっていった。
そんな私はというと特に変わらず、部活にも入らず、
奈々を部活に送り届けてからまっすぐ家に帰った。
私の好きな「変わりのない1日」を過ごしていった。
-ある日-
田中「なぁ、北原。」
私「.....何、またノート見せろとか言うんでしょ。」
田中「おい!俺がいつもよりおとなしそうに話しかけたらなんでもかんでも勉強関連だと思うなよ!!!!!」
私「え、違うの?」
奈々「だいたい田中があなたに話しかけるのは、ノート見せて~!か、勉強教えて~!しかないもん。そう言われるのしょうがないよ笑」
私「でしょ~~、んで要件なに?」
西谷「ちょっと来てくれないか?」
縁下「数分で終わらせる!!!」
私「う、うん、、わかったよ。」
バレー部3人がかりで真剣な表情をされると、
なんとも断りにくい。。
でも真面目なそうな話そうだけどなんだろう??
廊下へ出ると、容姿を一言で表すと「美」がふさわしいであろう
1人の女子生徒が立っていた。
〇〇「こんにちは。初めまして。」
私「初めまして...」
ほんとにどこを見ても綺麗だなあ。
西谷「北原。この方が、俺らバレー部の女神、、3年 清水潔子さんだ。」
田中「俺らのお・せ・わをしてくれているマネージャーだ。」
清水「やめてよその言い方。ごめんね、宜しくね。」
私「2年北原あなたです。宜しくお願いします。」
清水「大事な時間もらってごめんね。今日は北原さんにマネージャーどうかなと思って。」
私「え?わ、私ですか!?!?」
清水「うん。1人でマネージャーしてきて、やっぱり練習したいみんなにマネージャーの仕事をお願いすることがあったりして迷惑かけてきたから。」
田中「潔子さんからのお願いは第一ですから!!」
縁下「田中、お前は黙りなさい。」
清水「だから選手だけじゃなくて、マネージャーにも後輩を作って、そして全員で全国に行きたい!」
西谷・田中「潔子さん...!!!泣」
清水「それで西谷たちに部活入ってない2年生聞いたら、1番に北原さんの声があがったからどうかなって。」
私「......。」
清水「もちろんすぐに答えを出してほしいっていうわけじゃないから、頭の片隅にいれておいてほしいなって。」
キーーンコーーンカーーンコーーン
清水「あ、チャイム。時間とってもらってごめんね。よろしくお願いします!みんなも西谷たちもありがとう。」
西谷「いつでもお任せください!」
田中「潔子さんのためなら」
西谷・田中「どこまでもついていきます!!!!!!!」
縁下「お前らそれは鬱陶しい。お時間ない中教室まで来ていただきありがとうございます。」
清水「じゃあまた部活で。」
田中「どうだ北原!って聞いてる時間ねえな。」
縁下「無理にとは言わないから、前向きに考えてくれたら嬉しいな!」
西谷「返事待ってるぞ!!」
私「うん....」
授業中は、マネージャーの話でいっぱいだった。
私なんかがそんなのできるはずない。
だって.....
あれは中学の頃だった。
当時は人前に立つことが好きで、
学級委員、生徒会のようないわゆる誰かのために動くことが好きで
自分から進んでやることが多かった。
「ありがとう」とか、みんなの笑顔が見れることが私にとってのやりがいに繋がっていたと思う。
でもある時、
「あなたっていい子ちゃんぶってるよね~」
「先生とか男子によしよしされたいだけでしょ?」
「そういうのほんとムカつく~!」
トイレでそんな会話を聞いてしまった。
私の生きがいは他人から見たらただの自慢げにしか見えないのか。
誰かのためになっていなかったのだろうか。
私は邪魔な存在だったのだろうか。
自分で自分を苦しめるようになった。
「平凡になりたい」
そんな感情はこの頃から生まれた。
このマネージャーを引き受けたら、
また誰かに何か言われるんじゃないか、そんなことしか考えることが出来なかった。
どうしたらいいんだろうか。
「...はら、北原!!!!!!!!」
私「....」
奈々「あなた?当てられているよ?」
私「え!?あ、はい!!」
先生「珍しいな、北原が授業聞いてないなんて。次16ページから読んで。」
私「はい。」
だめだ、授業に集中しなければ。
縁下「......」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!