※体調不良系です
苦手な方は🔙お願いします
─山本side─
自分の番が終わり一息ついた僕は、ふと隣に座る直井の手元に目をやった
いつもなら議事録のために、ノートパソコンのキーボードを休みなく打っているはずなのに、今日は手が止まっている時間がやけに長い
画面を見つめてはいるけれど、その視線はどこかぼんやりしていた
小さく声をかけると、直井は少し遅れてこちらを向く
そう答えた彼の声は、いつもより少し掠れている気がした
会議後、デスクに戻ってからも、僕は直井を注視していた
どことなくタイピングが遅いような気がしたり、画面を見たまましばらく固まっていたりする
…………やっぱり、どこかおかしい。
昼休み、僕は直井をご飯に誘った
でもこれは、仕事モンスターの直井を連れ出すための方便。
社内にある休憩スペースの椅子に座り、直井と向かい合った
直井がキョトンとした隙に、少し身を乗り出して、直井の額に手を当てる
僕はストンと椅子に座り直し、直井に告げた
反論しようとする直井に、僕は額に当てるタイプの体温計の画面を見せる
直井は不承不承、という顔ではあるものの、頷いてくれた
直井はこくんと頷く
僕はそれに安心して、微笑んでから伊沢さんの元に向かった
直井の隣のデスクに座る乾が、直井の荷物をまとめるのを手伝いながらそう言う
乾は結局、オフィスの下まで荷物を持ってくれた
僕に直井の荷物を預け、手を振る
残念ながら直井のことをおんぶ出来そうにはないので、とりあえず直井のペースに合わせて歩く
僕の家に着き、鍵を開ける
廊下を歩いてリビングに荷物を置きながら、
と言った
その言葉に、僕は優しく微笑みかけて言う
─直井side─
熱くて、だるくて、辛い。
……けど、何だか嫌な感じがしないのは、山本さんのおかげだろうか
そもそも風邪を引くなんて久々だし、誰かに看病してもらうのも、その時の乾以来だ
山本さんがいつにも増して優しくて、頼り甲斐があるように見えるのは、俺が弱っているせいかな
そんなことをつらつら考えながら、直井は目を閉じた
もうそんな時間なんだ
山本さんはそう言って、俺の頭を優しく撫でる
それから、寝室に小さい机を置いて、お粥を持ってきてくれた
どうやら食欲はあるらしく、お粥は俺の目にはとても美味しそうに映った
……でも、なんか違和感
確か山本さんは、料理があまり得意ではないはずだ
ギリギリチョコのときとか、スムージーを作る時とか……
インスタントでも使ったのかな?
インスタントお粥……聞いたことはないけど、もしかしたらあるのかも、うん。
山本さんが眉をへの字にしながら、こちらを覗き込む
変に心配させてしまった
その質問に「はい」と答えようとして、一度踏みとどまった
ここで「無理そう」と答えれば、山本さんは俺に「あーん」ってしてくれるのかな
そうしてほしいと密かに願っている時点で、今の俺はだいぶおかしい。
でも風邪なんだもん
たまには誰かに甘えてみても、いいよね?
山本さんは満面の笑みで続ける
この後の展開は皆様のご想像にお任せします
最近ご想像にお任せしすぎている気がする……笑
初の体調不良系でしたが、いかがでしたでしょうか
みなさん、一週間ほど前の「合体漢字クイズ」ご覧になりましたか?
見たよ〜って方は、ぜひ「雑談中」お越しください!!
見てないよ〜って方は見てからお越しください!!
「雑談中」同時更新しておきます∠( ̄^ ̄)












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。