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正「 あなたちゃん、もう行ける? 」
『 うんっ、あ、お弁当っ 』
リビングまでドタバタ取りに戻って
結局家を出るのが最後になってしまった
『 ごめんなさいっ、待たせて、』
正「 全然笑 行こか、」
ふわふわっと笑って歩き出す正門くんは
なんだかちょっと掴めないところがある。
なんでこんな人が不良校なんかに入るんだろ
正「 あ、もしかしてあなたちゃん、
俺とおるの不安に思ってる?
こんな奴で守れんのかって 笑 」
『 えっ、あ、いやそんなことは… 』
正「 心配せんといてな、ちゃんと守らさせて
いただきます笑 」
普段優しい人は怒ると怖いって言うけど
そういう事なのかな…
教室の階が違うので正門くんとは下駄箱で
別れた。
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當「 おはよう 」
『 早いんやね、おはよう 』
當「 まさかホンマに選ばれちゃうとはな、笑
俺も纎冠祭、無事入れました。」
『 おめでとう、』
ってことは今日他の学校の人が来るのも
知ってるって事やんな。
『 琉巧も今日すごい人たちが来るん知ってる? 』
當「 もちろん、今日の午後1時。やんな、」
『 なに…しにくるんだろうね、』
當「 それは俺にもわからんなあ笑 」
けろっとしてる琉巧に感心しつつも、
授業が始まってしまったために相手校の事とか
詳しくは聞けなかった。
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放課後 生徒会室( 善団体 )
13:45
福「 もう45分も過ぎてるで 」
小「 ホンマに噂やったって事、おかしいやん
何目的で来るんよ 」
もう切り上げようという空気が流れ始めた頃、
岡「 末澤先輩っ!!!校門にっ、校門っ…!! 」
この前司会をやっていたもう一人の子が
飛び込んできた。
末「 来たか…、」
正「 ホンマに俺から離れたらアカンで 」
佐「 正門くんとあなたちゃん、なんかいいすね 」
それ絶対今言うことじゃないし、いいって何
草「 バランスええよな、」
正「 何意味のわからんこと言うてるんすか笑 」
もう来ているというのに緊張感の欠片もなく
気崩された制服とキーホルダーのチェーンの
音を響かせながら廊下を歩いて階段をくだる。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。