第4話

Diaryー4ー
72
2021/07/23 05:00

翌日。


キーンコーンカーンコーン〜♪

太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
一葉ちゃん、ちょっといいかな?

昼休み。
私は翔くんに話しかけられた。
委員会なんて、ないと思うんだけど…
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
う、うん?
なに、かな…?
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
あの、さ

歯切れが悪い翔くん。

どうしたんだろう?

太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
昨日、家で一葉ちゃんの話をしたんだけど。
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
私の話!?

ままま待って…
翔くんの口から私を語ったってこと!?

え、悪口だったらどーしよぉ!

太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
あ、嫌だったかな?
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
全然!
むしろ、嬉しい…よ?

恥ずかしくて語尾が小さくなってしまった。

でも、翔くんが安心した顔をしたから間違ったことは言ってない、はず!

太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
なら良かった!
で、ここからが本題なんだけど…
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
うん…?

やばい、全く話が読めない。

この後何を言われるんだろう?

太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
一葉ちゃん、今度うちに来ない?
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
え!?

頭が一気に真っ白になって、思わず大きな声が出てしまった。

教室中の目線が一気に集まる。

ははは、恥ずかし〜
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
あ、すみません…
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
で、どうかな?
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
もちろん!
行くよ!

翔くんの家、どんな感じなのかな?

ヤバい、何から何まで気になる〜!

"好奇心を爆発させるのも冒険、また、好奇心を抑制するのも、やっぱり冒険、どちらも危険さ。"

以前読んだ本に出てきた一節が頭をよぎる。

どちらも危険な冒険なら、私は、好奇心を爆発させますっ!

あ、ちなみにBy太宰治先生です!
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
あー、良かった!
花菜も喜ぶよ!
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
花菜、ちゃん?

花菜ちゃんって誰だろう?

そう疑問に思っていると、翔くんが答えをくれた。
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
妹だよ。
花菜が、一葉ちゃんに会いたいって言ったんだ。
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
あ、そうなんだ…

翔くんの妹ならきっと可愛いんだろうなぁ。

芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
歳は、いくつなの?
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
7歳だよ。
小学校に入学したばかりなんだ。
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
へぇ。
結構離れてるんだね?
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
うん。まあね。
でも可愛いよ。
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
もしかして、兄バカ?

可笑しくなって少し笑う。

翔くんは少しいじけた顔をして「兄バカじゃねぇし…」とボヤいていた。

あ、ちょっと可愛いかも。
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
ふふ。
で、いつがいい?
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
俺はいつでも大丈夫!
一葉ちゃんに合わせるよ。
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
じゃあ、今週の土曜日、とかどう?
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
もちろん!
じゃあ、土曜日に!
良かったぁ。
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
良かったぁ?
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
あぁ、昨日初めて話した男の家に来てもいいって言ってくれるかな、って思ってたからさ。
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
そんなものなの?
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
そうだよー。
マジで緊張したー!
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
ふふ。
翔くんでも緊張すること、あるんだね。
太宰  翔<ダザイ  カケル>
太宰 翔<ダザイ カケル>
普通にあるよー。
試合の前とかさ。
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
そうなんだね。

そこで昼休み終了のチャイムが鳴った。

名残惜しい気がしたけど、翔くんと別れ、自分の席に戻った私は、急激に上がる心拍に動揺していた。
芥川  一葉<アクタガワ  カズハ>
芥川 一葉<アクタガワ カズハ>
なんで…?
推しの家に行けるとか最高じゃん…

なのに、なんでこんなにドキドキするんだろう。









___私は、この気持ちの正体をまだ、知らない。

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