翌日。
キーンコーンカーンコーン〜♪
昼休み。
私は翔くんに話しかけられた。
委員会なんて、ないと思うんだけど…
歯切れが悪い翔くん。
どうしたんだろう?
ままま待って…
翔くんの口から私を語ったってこと!?
え、悪口だったらどーしよぉ!
恥ずかしくて語尾が小さくなってしまった。
でも、翔くんが安心した顔をしたから間違ったことは言ってない、はず!
やばい、全く話が読めない。
この後何を言われるんだろう?
頭が一気に真っ白になって、思わず大きな声が出てしまった。
教室中の目線が一気に集まる。
ははは、恥ずかし〜
翔くんの家、どんな感じなのかな?
ヤバい、何から何まで気になる〜!
"好奇心を爆発させるのも冒険、また、好奇心を抑制するのも、やっぱり冒険、どちらも危険さ。"
以前読んだ本に出てきた一節が頭をよぎる。
どちらも危険な冒険なら、私は、好奇心を爆発させますっ!
あ、ちなみにBy太宰治先生です!
花菜ちゃんって誰だろう?
そう疑問に思っていると、翔くんが答えをくれた。
翔くんの妹ならきっと可愛いんだろうなぁ。
可笑しくなって少し笑う。
翔くんは少しいじけた顔をして「兄バカじゃねぇし…」とボヤいていた。
あ、ちょっと可愛いかも。
そこで昼休み終了のチャイムが鳴った。
名残惜しい気がしたけど、翔くんと別れ、自分の席に戻った私は、急激に上がる心拍に動揺していた。
なのに、なんでこんなにドキドキするんだろう。
___私は、この気持ちの正体をまだ、知らない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。