私達は学校に向かって歩き始める 。
春の風が心地よい 。
そう言って 、 雨波が指さしたのは花の木だった 。
あまり見かけない花に私は戸惑っていた 。
今の季節なら桜が妥当なのに 。
梅が咲いてるなんて珍しいなーとか思いながら近づいてみると 、 紅い梅が点々としていた 。
晴れ切っている空とは真逆な色に思わず見惚れてしまう 。
微かに一音節呟いた気がした 。
嘘の香りがしたけど 、 信じるしかできない 。
梅の木を唯々見つめていた雨波が振り返る 。
その顔は悲しみに満ちていた 。
私はそんな雨波に何も声をかけられない 。
なんと声をかけたらいいのか分からない 。
一見するといつもの雨波の声 、 テンション 。
でも 、 その裏には 、 何の感情があるの ?















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!