🎸 side
机に突っ伏しているあいつ
寝ているのだろうか
昨日、ちゃんと寝たのだろうか
そのとき
弱々しい声で
あいつがそう言っているような気がした
小さな舌打ちをし、
俺は教室を出た
🍗side
カサッ
しばらく机に突っ伏していると
頭のあたりからビニール袋のような音が聞こえた
空腹に耐え顔をなんとか上げるとそこには
案の定、中に何か入っているビニール袋があった
誰かが置いていったのだろうか、
それとも、置いてくれたのだろうか
好奇心に負け、俺はビニール袋の中を覗いた
中には、おにぎりが2つ、ペットボトルに入ったお茶、
そして「食え」と汚い字でぶっきらぼうに書かれた紙が入っていた
辺りを見渡していると、背後から視線を感じた
振り返ってみると
彼がこちらを見ていた
しかし、すぐ別の方向を向いてしまった
俺は
小さな声でそう感謝を伝えた
放課後
俺は放課後、転校生のため説明を職員室で受けていた
もう窓から見た空はオレンジ色に染まっていた
ふと、俺はまた彼の事が気になった
名前も知らない、けど、今日、少し親切に影から接してくれた気がした
勢いに乗って、つい口を開いてしまった
ガラララ
ポロロロロン〜♪
ポロロン〜〜♪
音楽室の近くまできていた俺は
綺麗なピアノの音を耳にした
「先生かな、」と思いながら、音楽室のドアを開けた
そこには
先生ではなく、あの子がグランドピアノを弾いていた
ポロロロロン〜♪
ポロロ〜ン♪
彼は、ピアノに夢中で俺の存在に気付かない
俺は、少しの間彼のピアノの演奏に耳を傾けていた
しばらくして
🎸side
音楽室でグランドピアノを弾いていた時のこと
俺は無意識に前を少し向いた
そこには、いつの間にか
あいつが椅子に座り、目を閉じて俺のピアノの演奏を聴いていた
俺は恥ずかしくなったのか、ピアノの演奏を止めていた
その途端、彼は我に返ったように
目を開け、慌てたように席を立った
俺は
自分でも驚くぐらいの低い声を出した
ガラララララ
彼は、そう言い残して
音楽室を出て行った
俺はしばらくの間
音楽室から出られなかった
アンケート
長さは!
短い(((え??
50%
ちょうどいい
36%
長い
13%
投票数: 121票
ちなみに1500文字くらいです












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。