⚠️55話と56話が入れ替わってしまっています。先に上の55話からお読みください。
ご不便お掛けして申し訳ありません。
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目が覚めたら昼だった。
ここまで来ると起き上がる気も無くなり、充電に刺してあったスマホを抜き取って意味も無くSNSを見漁る。
ふと、時間を見ると既に11:30を指していた。
流石に寝過ぎたな。いつもは休みの日でも割とちゃんと
起きるので少し気分が下がる。折角の休みを無駄にした…
午前に自主練出来たかもしれないなあ…
ノックも無しに扉が開いたと思えば、頭上から声が響く。
どうせまだ食べて無いんでしょ、と小南がご飯を作ってくれたので有難く貰うことにした。私が食べている間、小南は横でコーヒーを口にしながらこちらを見ている。食べにくい。
あんたねぇ…と、呆れられた。
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そう言うやいなや私の腕を引っ張り、部屋まで半分引き摺られながら進む。小南は偶に行動が急過ぎてよく分からない時があるのだがまさにこれだ。
小南は面倒見が良いのでなんだかんだ色々やってくれる。流石に今日はやってもらってばかりなので、私は買い溜めしてあったお菓子を机の上に広げた。映画を観ながらも、
半分は小南と喋る事に意識を持っていく。
小南とこうやって軽く雑談して、一緒に居る事が好きだったりもする。
小南のその言葉が修たちに掛けている言葉には思えなくて、いや、回りくどく言うのはやめよう。
私に言ってくれたように感じたのだ。
「休んでいい」と。
一気に小南の顔が紅潮し、あわあわし始めた。
勢い余って立ち上がっていた小南に
「ほら、映画観なくていいの?」と言うと、もごもごしながら隣に座ったので何か微笑ましい気持ちになった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。