草木も眠る、24時。
夜の静けさを破るような騒がしさが、そこにはあった。
「もうすぐですね。」
「あぁ。どんなやつが買えるかな?」
「はは、ここのオークションはいいやつが多いからなぁ…」
「戦争になりそうだな。はっはっは!」
とある豪邸の地下深くで、それ ——闇オークションは行われていた。
ここでは、人間の少年少女に獣人、ましては精霊さえも取引される。勿論、違法。
過去に引き取られた者達は、奴隷、サンドバック、愛玩人形…様々な、しかし全てが非人道的な末路を辿った噂しか出てこない。
ここでの”ショー”に出演する者の中には勿論罪人もいる。警察でも手に負えない者、罰からは解放されたが恨まれ売られたもの…。
しかし、もちろんのこと、罪の無い者だっている。
その希少さに捕まえられた者、見目麗しいがだけに攫われたもの…。
言い出せばキリがないだろう。
バックヤードには、今日の”出演者”達がいた。ある者は悲鳴をあげ、ある者は絶望し、ある者は乾いた笑いをもらす。
忌まわしいショーの開演まで、あと2時間。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!