「ほんと、姉失格だよな」
目を逸らして言った。
真希お姉ちゃんがそのときどんな顔をしていたのか
分からなかった。
私がその言葉を否定しようとする前に
真希お姉ちゃんが口を開いた
「怒ってるかな」
「…どうだろう」
曖昧な返事をしてしまった。
返事をした後に、もっとハッキリと答えれば良かったと後悔した。
「…」
しばらく沈黙が続いたあと
「許してくれるかな」
といったので
今度はハッキリと
「うん!」
と答えた。
思ったより大きな声が出た
すると
「ふふ
そうだな…そうだよな」
と、真希お姉ちゃんが少し笑いながら
自分に言い聞かせるように答えた。
「私はあいつの傍にいるよ」
真希お姉ちゃんが戸に手をかけた
「分かった
私は手伝い終わったのを使用人さんに報告しに行くから、じゃあね」
私はくるりと後ろを向こうとした
「ありがと、あなた」
真希お姉ちゃんが言った。
「…私は何もしてないよ」
後ろを向いたまま答えた












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。