「ほんと、姉失格だよな」
目を逸らして言った。
真希お姉ちゃんがそのときどんな顔をしていたのか
分からなかった。
私がその言葉を否定しようとする前に
真希お姉ちゃんが口を開いた
「怒ってるかな」
「…どうだろう」
曖昧な返事をしてしまった。
返事をした後に、もっとハッキリと答えれば良かったと後悔した。
「…」
しばらく沈黙が続いたあと
「許してくれるかな」
といったので
今度はハッキリと
「うん!」
と答えた。
思ったより大きな声が出た
すると
「ふふ
そうだな…そうだよな」
と、真希お姉ちゃんが少し笑いながら
自分に言い聞かせるように答えた。
「私はあいつの傍にいるよ」
真希お姉ちゃんが戸に手をかけた
「分かった
私は手伝い終わったのを使用人さんに報告しに行くから、じゃあね」
私はくるりと後ろを向こうとした
「ありがと、あなた」
真希お姉ちゃんが言った。
「…私は何もしてないよ」
後ろを向いたまま答えた












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!