「だいじょぶかあなた?」
走ってきて疲れたのか、真希お姉ちゃんは切れ切れの声だ
「だいじょぶって、何が?」
「え?だってお前叱られてたんじゃ」
目を丸くして聞いてきた
「…もしかして何か勘違いしてる?」
これまでのことを真希お姉ちゃんに説明した
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「叱られてた訳じゃないよ、家の手伝い」
「へえ、ここで手、伝い…か」
「あ…」
この横にあるのが真衣お姉ちゃんの部屋だと気づいたらしい
真衣お姉ちゃんの部屋の方向をじっと見つめている。
「…真衣、寝てたか?」
息が落ち着いてきたからかもしれないが
声のトーンが少し変わった気がする
「うん」
なるべく動揺を見せないように答えたつもりだ。
「まあ、私たちはこの時間は寝てるからな
こんな時間に起きる子供はお前くらいだよ」
真希お姉ちゃんが部屋を見ながら苦笑して言う。
「あ、のさ…」
真希お姉ちゃんがこちらを向いた。
「さっき、真衣お姉ちゃんの部屋入ってさ」
真希お姉ちゃんは黙って私の話を聞いている。
「そのとき、真衣お姉ちゃんの顔、みたんだけど」
涙の跡のことを言おうとしたが
言ったところで真希お姉ちゃんを困らせてしまうのではないかと今更思った。
「えっと…」
言葉に詰まり、俯いてしまう。
「あなた、言ってみろ」
私が顔を上げると、真希お姉ちゃんは優しい顔でこちらを見つめている。
「あ…えっと、涙の跡があって、もしかして昨日の夜泣いてたのかなって」
自然と言葉が出てきた
「…そうか」
「あ、ごめんね、急にこんなこと言って」
言ったあとに謝った
「いや、いい
むしろありがとな」
真希お姉ちゃんがにっと笑う。
「私ったら、あいつの姉のくせに泣かせちまってさ」
何か考えたかのように少し間を置いてから、
かわいた声で
「ほんと、姉失格だよな」












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。