「真衣、お姉ちゃん?」
おそらくここは真希お姉ちゃんと真衣お姉ちゃんの部屋だったのだろう。布団が2つ並んでいる。使われているのは1つだが。
少しきまりが悪くなり、ささっと部屋にあった花瓶から花を取り出し、水を替えた。
これで私の仕事は終わりだが、どうにも真衣お姉ちゃんのことが気になった。
私は足音を立てないように近づき、そっと真衣お姉ちゃんの顔をのぞき込む
そのとき気付いた。
涙の跡だ
昨晩、1人で泣いていたのかな。
真希お姉ちゃんが離れた悔しさからだろうか。
それとも1人の寂しさからだろうか。
突然1人になった真衣お姉ちゃんは、何を思って寝たのだろう。
ふいに、最初に真衣お姉ちゃんと会った時に言われた言葉を思い出した。
『ね、姉妹になっていいでしょ?あなた
一人は寂しいよ』
「一人は、寂しい…」
あれは誰に向けて言っていたのだろう。
私?それとも…
「あなたー!」
「!」
真希お姉ちゃんの声が聞こえる、起きたのだろうか。
戸を開けて、部屋の外に出た。辺りを見渡そうとすると
本人はすぐ見つかった。
「…あなた?」
「あ、真希お姉ちゃん」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。