「…ん?」
私が朝起きると、昨日同じ布団で寝ていたはずの「妹」がいなくなっていた。
もしや使用人に2人で寝ていたのが見つかり、あいつだけ叱られているのではないだろうか。
「…あなた!」
まだ二人分の体温を残す布団をめくり、戸を勢いよく開けて廊下へでた。
すぐさま駆けようとしたが
「きゃあっ!?」
「あ、わりぃ!急いでるんで」
使用人の人とぶつかってしまった。ああいう大人はどれほど早く起きているんだろうか
今度はぶつからないように早歩きで廊下を進む。
(叱られるとしたらどこだ?
にしてもなんでアイツだけ…)
そんなことを考えて廊下を歩いているうちに、お目当てはすぐに見つかった。
「…あなた?」
「あ、真希お姉ちゃん」
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そろそろ5時だろうか、まだ日が登り切っていない
青空に薄く広がるオレンジが良く映えていた。
家の手伝いをしなければならないので、この時間に起きるのが日課になっていた。
「ん…」
布団から出るため腕をあげようとしたが、左手に違和感を感じ、左手に目を向ける。
私の左手は真希お姉ちゃんの右手を握っていた。
昨日無意識のうちに握っていたのだろうか。
起きなければならないため、手をゆっくりと離した。
「…」
普段あまり苦痛に感じない起床がつらく感じた。
ささっと寝巻きから着替えると、部屋の戸に手をかける。
くるりと振り向き、真希お姉ちゃんの方を確認する。
まだ眠っているようだ
わざわざ起こすのも申し訳ないし、そのままにして部屋を出た。
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「…っと」
使用人さんから言われたように、部屋に置いてある花瓶の水換えしていた。
大体の部屋の主は仕事か朝食でいないが、たまに部屋にいる大人と目が合うと少し気分が悪くなる。大人は苦手だ。
だがその水換えもあとこの部屋で終わる。
トンと部屋の戸をノックした。返事が来なかったので居ないものだと思い、スっと戸を開けたが_
「…」
「…真衣、お姉ちゃん?」












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!