第8話

体温
1,232
2021/08/11 00:05 更新
「…愛情?」

「ああでも言わないとあいつは自分から何もしないからな」

「ああでもって、今日私に言ったみたいな?」
『なんだ?ビビってんのか?』という声を思い出す

「そ、もしあの時ああ言わなかったら
お前は木に登ろうとすらしなかっただろ?」

少し不服そうな顔をしてから
まあねと答えた

そうすると真希お姉ちゃんは満足げな顔をした

「真衣にもこれ言ったら乗ってきたから
きっとお前も乗っかってくると思ったんだよ」

と言ったあと、何せお前らは似てるからな
と笑って付け足した

「2人はよく喧嘩するの?」
と私が質問をすると

「どうかな、あっちが一方的にキレてくることはあるけど」
と、さらりと言われた。

「それは真希お姉ちゃんが挑発するからでしょ…」

「そうか?あいつがキレやすいだけかもしんないぜ」
ケラケラと軽く笑いながら言った。

「だいたいの喧嘩の原因って、真希お姉ちゃんの挑発なんじゃない?」
と私が目を細めて聞くと。

「む…でも今回はあいつにも非があるよ」

「どこらへん?」

「んなの、お前を連れてったことに決まってんだろ」

「…えっ」

「あなたを独り占めしないって契約、前したのに破りやがって…」

(いつの間にそんな契約が結ばれていたのだろう…)

「その契約って__」



ガララ、と戸の開く音がする。

「!」

使用人の人が私が寝たか確認しに来たのだろう。
真希が即座に布団に潜り込むと私も布団の中に引きずり込まれた。

「…」

おそらくバレなかったのだろう。
ガララ、と再び戸を閉じる音がした。

ボフッと真希お姉ちゃんが布団から顔を出す。

「…あー、危機一髪だったな」

「だね、そろそろ部屋に戻った方が…」

「え?なんで?」

「なんでって…
…もしかしてこの布団で寝る気?」

「最初からそのつもりだったけど
まあ、つめれば寝れるだろ」

「わっ」
真希お姉ちゃんがギュウとこちらに寄せてくる。

しばらくするとすうすうと寝息が聞こえてきた。
「…もしかしてもう寝たのかな」
自分も寝ることにした。





















体温を直に感じる。あたたかい
物心着いた時には親はいなかったので、ぬくもりなんてものは知らずに生きてきた。
隣で誰かが眠るなんて考えたこともなかった。

不思議な、心地良さを感じた。

「…あなた」

寝言だろうか。





「…真希、お姉ちゃん」




私は自然と_真希お姉ちゃんの手を握っていた。



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