「…愛情?」
「ああでも言わないとあいつは自分から何もしないからな」
「ああでもって、今日私に言ったみたいな?」
『なんだ?ビビってんのか?』という声を思い出す
「そ、もしあの時ああ言わなかったら
お前は木に登ろうとすらしなかっただろ?」
少し不服そうな顔をしてから
まあねと答えた
そうすると真希お姉ちゃんは満足げな顔をした
「真衣にもこれ言ったら乗ってきたから
きっとお前も乗っかってくると思ったんだよ」
と言ったあと、何せお前らは似てるからな
と笑って付け足した
「2人はよく喧嘩するの?」
と私が質問をすると
「どうかな、あっちが一方的にキレてくることはあるけど」
と、さらりと言われた。
「それは真希お姉ちゃんが挑発するからでしょ…」
「そうか?あいつがキレやすいだけかもしんないぜ」
ケラケラと軽く笑いながら言った。
「だいたいの喧嘩の原因って、真希お姉ちゃんの挑発なんじゃない?」
と私が目を細めて聞くと。
「む…でも今回はあいつにも非があるよ」
「どこらへん?」
「んなの、お前を連れてったことに決まってんだろ」
「…えっ」
「あなたを独り占めしないって契約、前したのに破りやがって…」
(いつの間にそんな契約が結ばれていたのだろう…)
「その契約って__」
ガララ、と戸の開く音がする。
「!」
使用人の人が私が寝たか確認しに来たのだろう。
真希が即座に布団に潜り込むと私も布団の中に引きずり込まれた。
「…」
おそらくバレなかったのだろう。
ガララ、と再び戸を閉じる音がした。
ボフッと真希お姉ちゃんが布団から顔を出す。
「…あー、危機一髪だったな」
「だね、そろそろ部屋に戻った方が…」
「え?なんで?」
「なんでって…
…もしかしてこの布団で寝る気?」
「最初からそのつもりだったけど
まあ、つめれば寝れるだろ」
「わっ」
真希お姉ちゃんがギュウとこちらに寄せてくる。
しばらくするとすうすうと寝息が聞こえてきた。
「…もしかしてもう寝たのかな」
自分も寝ることにした。
体温を直に感じる。あたたかい
物心着いた時には親はいなかったので、ぬくもりなんてものは知らずに生きてきた。
隣で誰かが眠るなんて考えたこともなかった。
不思議な、心地良さを感じた。
「…あなた」
寝言だろうか。
「…真希、お姉ちゃん」
私は自然と_真希お姉ちゃんの手を握っていた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。