第32話

【続編 #3】公表 その3
5,015
2024/12/31 02:11 更新
一緒にリビングへ移動し、ソファに座る。
それで……?
なにがあったの?
私は事の経緯を話した。

嫌な思いしたね
あなた
うん……。

でも、叶くんがちゃんと上書きしてくれたから。
もう、平気だよ。
ありがとう
まだ、足りてないんじゃない?
あなた
え……
この人は……、
本当によく見てくれている。
察してくれる能力が高すぎる。
叩いたのは、こっちの手?
そう言って、私の右手を持ち上げる。


頷くと、叶くんは、私の手のひらにキスを落とした。


掴まれた手首は、どっち?
今度は自分から、掴まれた左手を叶くんの前に差し出す。


すると、手のひら同様、キスをしてくれる。
顎、掴まれたんだっけ?
そう言って、優しく頬に手を添えながら、
顎周りにたくさんキスをしてくれる。


背中は、痛くなかった……?
あなた
少しだけ……
抱き締めるように私の背中に手を回すと、
ブラウスの上から優しく背中を撫でてくれる。


何度か撫でられた後、
背中で小さく、プチッと音がして、
胸元に開放感を感じると同時に、

ソファに押し倒されていた。
あなた
ん……っ
叶くんの舌が口内に侵入してくる。
思わず叶くんの首に腕をまわすと、

何故か唇が離れていった。
っは……。

このまま、ここで、してもいい?
あなた
ふふっ、……改めて確認必要だった?
あー、うん。
……僕、さ。
あなたさんの仕事モードの時の格好に弱いんだよね。
初めて会った時のこと、思い出しちゃって……。

理性飛びやすくて……
あなた
押し倒す前に、ブラのホック外したのに?
えへ、うん。
それは、手が勝手に
あなた
ふふっ、勝手にかー。
その言い訳は、可愛いから許しちゃうなー
んふふー、僕の手悪い子だから、

……ずっと握ってて、ね?
あなた
うん……
片手はずっと握りあったまま、
そのままソファで、
叶くんと抱き合った。



気付いたら、ベッドに移動していて、
裸のままで叶くんに腕枕されていた。
あなた
ん、ごめん……、寝てたみたい……
おはよ。
5分くらいだよ、落ちてたの
そう言って、おでこにキスをしてくれる。
……体、平気?
あなた
うん
あなたさんに触っていいの、僕だけなのに、って、
なんか変に嫉妬しちゃって……、
ちょっと乱暴にしちゃったかも、って思って
あなた
ふふ、嫉妬する叶くん、可愛い。
嬉しいよ。
大丈夫だよ
……良かった
安心した顔をした叶くんと、
笑顔でキスをする。

────幸せだ。
あなた
私さ、結婚したこと公表しようと思うんだ
良いんじゃない?
相手が僕だって勘繰られないように、
時期ずらしたかったんだもんね
あなた
うん。
叶くんもくぅも、自分たちで頑張ってきたのにさ。
役員の私と関係があるって、
色眼鏡で見られたら嫌だもん
僕も葛葉も、
運と実力で頑張ってきたって胸張って言えるから。
もし関係がバレても、全然平気だけどね
あなた
……それは、そうかもね。

相手が叶くんだ、って、
積極的に公言するつもりはないけど。

バレても平気、って思えるのは、
……良いね
うん。
バレても平気!

いつ言おうとか、決めてるの?
あなた
近い内に、役員の食事会があるから、
そこで言えたら良いかなって。
社長に前もって伝えておくつもり
明後日だっけ?
あなた
うん!
僕、帰り迎えに行くよ
あなた
えっ!
嬉しい!

……けど、いいの?
もちろん!

あ、ボスにさ、
帰り僕が迎えに来ることも一緒に伝えておいて。

あの人ならきっと……、
良いことしてくれるから
あなた
良いこと?
うん!
あなたさんは気にしなくていいよ!

しっかり公表して、
僕以外は要りません、って惚気けてきてね
あなた
ふふっ、分かった!

公表するのが楽しみになったよ。
ありがとね、叶くん
どういたしまして!

じゃあ、僕はシャワー浴びたらまた配信してくるよ。
そこでお先に惚気けてくるね!
あなた
うん!
行ってらっしゃい!
ベッドから出ていく叶くんを見送って、
どんな風に発表しようかな、なんて。
少しだけワクワクしながら。

社長に「相談したいことがある」と連絡を入れた。

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