定例の役員たちの食事会が始まった。
叶くんと公表の意思を固めた翌日、つまり昨日には、
上川くんのことも含め、早速社長に報告した。
場所は前回と同じ懐石料理のお店。
料理に舌鼓をうちながら、
業績の話や経済の話に花が咲く。
あっという間に、
叶くんのお迎えまで、あと15分になった。
名指しで呼ばれ、立ち上がる。
最後には笑顔も振りまいて、
公表完了である。
拍手の音が響く中、お礼を言いながら座る。
うんうん、と。
若干失礼なこと言われてるな……と、思ったけど。
頷きまくる、私。
え、そんな焚き付け方するの?!
……てか、もういないでしょ。さすがに。
手元のスマホを確認すると、
叶くんから到着の知らせが届いていた。
エレベーターに乗り、地上に到着しドアが開くと、
叶くんの姿を発見。
エレベーターから1歩出たところで、
肩で息をする3人に「あなたの名字!」と呼び止められた。
思わず笑ってしまった。
3人が顔を合わせて、大きく頷いた。
と、お願いされてしまった。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。