うぅ⋯⋯テヒョンくんさっきから何も喋ってくれない⋯⋯。
だけど、掴まれた腕はそのまま。
どうしちゃったの、テヒョンくん⋯⋯?
すると突然、テヒョンくんは掴んでいる手を離して、あたしを正面からぎゅっと抱きしめてきた。
ギュウッ⋯⋯っと上半身にかなりの圧力がかかる。
やっと口を開いてくれたと思ったら、テヒョンくん、何をいってるの?
これ以上抱きしめられたら、恥ずかしすぎて溶けちゃう⋯⋯。
と言いながら、テヒョンくんがパッとあたしの体をはなす。
す、凄いドキドキした⋯⋯。
テヒョンくんがあたしを呼ぶ。少し低めの、とってもゆっくりとした口調で。
アイツ⋯⋯?
キョトンとあたしが首を傾げると、テヒョンくんは眉間にシワを寄せながら、
とだけ不機嫌そうに言った。
ぐぅちゃん⋯⋯? どうしてぐぅちゃんのことを?
男の子の中で、イチバンのチング。女の子と中では、断然、ジユちゃんがイチバン!
だけど、テヒョンくんはあまり納得してないみたい。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!