総統室
本当は分かっている。
無理に引き戻せる段階ではないことも
キィー
ゆっくりと開かれた窓から、夜風が流れ込む。
その風に煽られて
机のアルバムのページが、ぱらぱらとめくれた。
ひとらんの視線が、そこに落ちる。
三人で、同じ月を見上げる。
その光が、記憶を静かに引き戻した。
2007年 彼らが17歳の頃
政治部隊室
机の上に広がった書類、専攻部隊の備品報告書
に目を落としながら話す
視線が、紙じゃなくて
相手の方へ向いてしまう。
バチッっと視線が合う
部屋
・
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・
男同士はダメだって思ってたわけじゃないし
嫌悪感も持たなかった、、
ただそういうものじゃないって決めつけてた
・
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・
シャッとカーテンを開けた
俺の出身国では
“ I love you ”を
「月が綺麗だ」と言い換えることがあった。
この中でそれを知っているのは
きっと自分だけだと思っていた。
少しだけ距離が縮まる。
触れるか触れないかの距離。
そっと手を伸ばして、指先が触れた。
ページが止まり、現実に引き戻される
月明かりが、三人を照らす。
あの時と同じように。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。