第15話

日野陽介
205
2021/11/14 01:18
城ヶ原  咲斗
城ヶ原 咲斗
ちょっとは楽になってきたか?
僕の背中を擦りながら咲斗が尋ねる
狛田  憂莉
狛田 憂莉
うん、ありがとう
......め、ね
何か声が聞こえた
狛田  憂莉
狛田 憂莉
...?
狛田  憂莉
狛田 憂莉
咲斗、なんか言った?
城ヶ原  咲斗
城ヶ原 咲斗
ううん、何も言ってないぞ
「ごめんね、無理させちゃって」
今度はハッキリ聞こえた
それと同時に白い火の玉が目の前にポッっと現れた
城ヶ原  咲斗
城ヶ原 咲斗
な、なんだコレ!?
「驚かせてすまないね」
直接脳内に響くような声、先程聞こえたのと同じ
「本当はそっちの男の子の方に乗り移ろうとしたんだけど間違えて君の方に行っちゃってね」
「元々霊感が強い訳でも無かったみたいだし、少し前気を失って倒れてたみたいだから耐性が弱かったみたい」
「そこに俺が入ったから気分が悪くなってしまったんだよ」
急にものすごく話すものだから頭が理解してくれない
狛田  憂莉
狛田 憂莉
え...っと、あなたは?
「俺は日野陽介ひのようすけ、この学校の卒業生だよ」
「まぁ、それも何十年と前の話だけど」
狛田  憂莉
狛田 憂莉
陽介さん...が僕の中に間違えて入ってきて、僕は気分が悪くなったと
「うん、そういう事だよ」
「俺、急がないと行けないんだ」
城ヶ原  咲斗
城ヶ原 咲斗
そういえば、俺の方に入りたいんですっけ?
「そう、“彼女”が待ってるから」
「もしかしたら君のお友達も...」
狛田  憂莉
狛田 憂莉
え?
「いや、何でもない」
城ヶ原  咲斗
城ヶ原 咲斗
特に害は無いですよね...?
「うん、大丈夫だよ」
城ヶ原  咲斗
城ヶ原 咲斗
じゃあいいですよ
「優しいね、ありがとう」
スウっと白い火の玉が咲斗の体へ入っていく
咲斗?
咲斗?
...
狛田  憂莉
狛田 憂莉
咲斗...じゃないか、陽介さん?
咲斗?
咲斗?
あぁ、大丈夫
咲斗?
咲斗?
急ごう、咲斗君にも無理をさせたくないし
咲斗?
咲斗?
君のお友達も危ないかもしれない
狛田  憂莉
狛田 憂莉
それ、さっきも...
ガシャーンッ!
狛田  憂莉
狛田 憂莉
!?
咲斗?
咲斗?
まずい......っ!
ダッ
狛田  憂莉
狛田 憂莉
陽介さん!?
next...

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