第5話

5. 大好きな幼馴染み
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2023/11/25 12:50
宮谷先生
宮谷先生
今日のホームルームはこれで終わりだ。各自次の準備をするように。
私が席に着くと,そう言って先生は教室から出ていった。

そして私はすぐに由姫ちゃんとたっくんの方へと体を向けた。
華園 (なまえ)
華園 あなた
びっくりしたぁ……,由姫ちゃんとたっくんも此処の生徒だったんだね。
白咲 由姫
白咲 由姫
うん,そうなんだっ。でも私はあなたちゃんと同じようについ最近編入してきたんだけど。ふふっ。
華園 (なまえ)
華園 あなた
そうなの!?
てことは……,もしかして部屋が隣なのって,由姫ちゃんってことかな?

聞きたいけど,そうしたらバレちゃうよね……。
まあ,後で聞けばいっか。
氷嵩 拓真
氷嵩 拓真
なあ,ちょっと三人で外で話さね?
華園 (なまえ)
華園 あなた
私は良いよ!
白咲 由姫
白咲 由姫
私も!
たっくんに言われ,私達は教室を後にした。
たっくんに連れてこられたのは,屋上だった。

促されるまま,屋上に設置されているベンチへと腰を下ろした。
氷嵩 拓真
氷嵩 拓真
色々聞きたいことはあるけど,まずその格好は?
白咲 由姫
白咲 由姫
私も気になってた……。って,それは私もか。
華園 (なまえ)
華園 あなた
あはは……,うん。
やっぱり,私も聞かれるよね……。
白咲 由姫
白咲 由姫
それに,あなたちゃんって確か男の子が苦手だったよね?何でこんな男の子が多い所何かに……?
華園 (なまえ)
華園 あなた
じつは,お母さんがそれを知らずに手続きしちゃってたみたいで……。
白咲 由姫
白咲 由姫
成る程……。
氷嵩 拓真
氷嵩 拓真
その格好の理由は?
華園 (なまえ)
華園 あなた
これは変装なんだ……!あとカラコンもしてる!
変装を解いた私を見て,たっくんは顔を赤くした。

あれ,たっくんどうしたんだろう?
氷嵩 拓真
氷嵩 拓真
……っ。
華園 (なまえ)
華園 あなた
たっくん,大丈夫?顔赤いけど……。
氷嵩 拓真
氷嵩 拓真
い,いや,何でもない……。
赤い顔を隠すように,口元を手で押さえたたっくん。

変なたっくん……。
華園 (なまえ)
華園 あなた
それで,由姫ちゃんは……?
白咲 由姫
白咲 由姫
これは私も変装だよっ!
由姫ちゃんも私と同じように,変装道具を外した。

久しぶりに見る由姫ちゃんはとても綺麗で,思わず見惚れてしまった。
白咲 由姫
白咲 由姫
……?あなたちゃん?
華園 (なまえ)
華園 あなた
あ,いや何でも……!
ま,眩しい……。

由姫ちゃんは花があるから,こんな私なんかと仲良くしてくれるのが謎だ……。

こんな調子だと,私が引っ越した後は凄くモテたんだろうな……。

因みに私が引っ越したのは小学四年生の夏休みだった。

私と由姫ちゃんは家がお隣同士で,小さい頃からの幼馴染み。

でもたっくんは幼稚園の時から通っていた空手道場で出会った。
勿論由姫ちゃんも空手道場に入っていた。

ふふっ,よく帰りに公園に寄ったりアイスを食べたりしてたな……,ふふっ,懐かしい。
白咲 由姫
白咲 由姫
そろそろ予鈴鳴るし,教室戻ろっか?
氷嵩 拓真
氷嵩 拓真
ああ,そうだな。
華園 (なまえ)
華園 あなた
うんっ!
そうして私と由姫ちゃんは変装道具を着けて,三人で並んで階段を降りる。

この学校,階段も広いな……,あと二人は余裕で入りそうだっ。

てゆうかそれより,教室に戻るの少し怖いな……。
氷嵩 拓真
氷嵩 拓真
あなた,気にすんなよ。
えっ………?
華園 (なまえ)
華園 あなた
な,何を?
氷嵩 拓真
氷嵩 拓真
クラスの奴らが言ってたこと。
あ,聞こえてたのかなっ……。
でも,たっくんはかっこいいから,あんな風に騒がれるのは日常茶飯事なのかもしれない。

まあ,たっくんのはきっと良い意味のだろうけど……,あはは……。
華園 (なまえ)
華園 あなた
うんっ,ありがとうたっくん。
たっくんの気持ちが素直に嬉しくて,満面の笑みを浮かべて感謝の気持ちを伝えた。
白咲 由姫
白咲 由姫
ふふっ。
氷嵩 拓真
氷嵩 拓真
ん?
華園 (なまえ)
華園 あなた
ど,どうしたの?
白咲 由姫
白咲 由姫
だって,拓ちゃんとあなたちゃん,相変わらず仲が良いから,微笑ましくって。
ほ,微笑ましい……?
何だか,お姉ちゃんが出来たみたい……。
華園 (なまえ)
華園 あなた
そ,そっか……?
そんなことを思いながら,教室までの道を歩いた。
教室のドアを開け,席に着く。

すると,何やら1ヵ所から視線を感じた。

な,何だろうこの視線……。
新堂 海
新堂 海
編入試験合格したなんて,すごいね。しかも二人目だし。
華園 (なまえ)
華園 あなた
へっ……。
声が聞こえた方を見ると,優しそうな男の子の姿が。

私のことを見ながら,優しい微笑みを浮かべていた。

お,男の子……,だよね?
制服ズボンだし……。

と,とゆうか……,何で話し掛けられたんだろうっ……。
華園 (なまえ)
華園 あなた
えっと……。
新堂 海
新堂 海
俺の名前は海。よろしくね。
海くんって言うんだ……。

海みたいな青色の髪の毛に,綺麗な二重。
整った容姿の彼は,王道的なモテ男子と言うより,頼れるお兄さんっていう感じがした。

人当たりの良さそうな柔らかい雰囲気。

わ,私のことを悪く思っている感じはしないし……,逆に,興味があるって感じかな……?

な,何て返そうかな……。
白咲 由姫
白咲 由姫
あなたちゃん,海くんはとっても良い人だから大丈夫だよ。
何て返そうかと戸惑っていると,由姫ちゃんがそっと耳打ちしてきた。

由姫ちゃんが……,言うなら………。
華園 (なまえ)
華園 あなた
う,うん……,よろしくねっ……!
後ろの席の人が優しそうで良かった……。

そう安心したのも束の間,後ろの方から聞こえた声。
如月 華生
如月 華生
うわ,ガチで来たんだ。二人目もクソダセーじゃん。
如月 弥生
如月 弥生
またガリ勉かよ,めんどくさ~。
同じ人が発言したのかと思う程にそっくりな声が二つ。

ビクビクしながらも,気になってゆっくりと振り返る。

双子……かな?

そ,それより,怖いっ……。
氷嵩 拓真
氷嵩 拓真
おいてめーら,殺されたいのか?
彼らに向かって,たっくんが起こった様子で二人を睨んでいた。
如月 弥生
如月 弥生
お,お前に指図される覚えねーし。
二人とも,たっくんに対して少し怖がりながらも,不機嫌そうにふんと鼻を鳴らしている。
氷嵩 拓真
氷嵩 拓真
お前ら……,その口聞けなくしてやろうか?
すると,たっくんは突然立ち上がり,拳を振り上げている。

た,たっくんまさか,殴ろうとしてるんじゃ……。
華園 (なまえ)
華園 あなた
た,たっくん!私は大丈夫だから!座って!ね?
氷嵩 拓真
氷嵩 拓真
あなたが言うなら……。
私がそう言えば,たっくんは大人しく座ってくれた。

よ,良かった……。
新堂 海
新堂 海
ごめんな,こいつらちょっと口が悪くてさ。自分達より頭が良いのが気に入らないだけだから。
海くんは代わりに謝るように,申し訳なさそうにしながらそう言ってくれた。
華園 (なまえ)
華園 あなた
ぜ,全然大丈夫だよ……!名前は何て言うの?
怖いけど,名前ぐらいは知っておかなきゃ……。
白咲 由姫
白咲 由姫
如月弥生くんと華生くんだよ。マスクをしてる方が華生くん。
華園 (なまえ)
華園 あなた
そ,そうなんだっ,綺麗な名前だねっ……!
凄く良い響きだな……。

思ったままの感想を伝えると,何故か二人はびっくりしてるような顔で顔を赤くした。

あ,あれ……,失言しちゃったかなっ……。
如月 華生
如月 華生
ちっ,うるせーよ!!
や,やっぱり何か気に障ること言っちゃったんだ……。

そう凹んでいると,突然またたっくんが立ち上がった。
氷嵩 拓真
氷嵩 拓真
やっぱり我慢できねぇ……,一旦表出ろや!!
白咲 由姫
白咲 由姫
た,拓ちゃん!
華園 (なまえ)
華園 あなた
たっくん落ち着いてっ……!
今にも殴り出しそうなたっくんを二人で何とか宥めて落ち着かせた。

な,何だかこれから色んな意味で賑やかになりそうだなっ………。

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