第158話

157話
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2021/08/08 01:17
(なまえ)
あなた
無一郎...。



彼女の声を久々に聞いた。














まさか彼女から近づいて来てくれるなんて...。














(なまえ)
あなた
ごめんなさい...もう添い遂げてる方がいるというのに...。
その話なんだけど...嘘なんだ。




なんだ...少し息苦しい...?






(なまえ)
あなた
嘘...?
うん、僕はずっとあなたの事がs...ゴホッゴホッッ
(なまえ)
あなた
大丈夫...?
ゴホッ...大丈夫...、気にしないdゴホッゴホッ
(なまえ)
あなた
でも...




なんだ...?心配そうなあなたの顔が歪んで見える...。


















そっか...僕の視界が歪んでるのか。
















息が苦しい。なんだ?体が力が入らない...。















(なまえ)
あなた
無一郎...?無一郎!!






声が遠く聞こえた。

















薄々気づいてはいた。そろそろだって。まだ15なんだけどな...。








(なまえ)
あなた
無一郎!!私ね...ずっと無一郎がs
言うな...!ゴホッゴホッ




そんな事言っちゃダメだよ。君はこれから、僕を忘れて殿方に幸せにしてもらうんだから。









どうか...これからは笑って...ゴホッゴホッ
笑ってた方が...ゴホッ幸せがくるからゴホッゴホッ
(なまえ)
あなた
お医者様...お医者様に診てもらおうよ。
その必要はゴホッゴホッない...。
そんな事より...幸せになってよ...。
僕の最期の願い...叶えてよね...。
(なまえ)
あなた
最期なんて言わないでよ...!!!
なら...来世は僕と一緒になってくれる...?




































僕はそのまま意識を手放した。

































時透無一郎、享年15歳。彼の最期はずっと愛した人に見守られながらとなった。


















もしも悔やむ事があるとしたら、彼女の殿方になれなかった事、ただ一つだろう。
































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