第9話

黒い苺
71
2026/03/30 23:15 更新
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
なッ、どうして
リドルは状況が理解できず目を見開く
トレイ・クローバー
トレイ・クローバー
俺の魔法ドゥードゥル・スートだよ。
ドゥードゥル・スート:対象物の色、味、香り、物などを短時間だけ別のものに上書きする能力

リドルの攻撃を上書きしトランプに変化させたのだ
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
トレイ先輩ナイス!
デュース・スペード
デュース・スペード
…助かった。
グリム
グリム
すごいんだゾ!
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
……
リドルは血がにじむほど唇を噛み、
こみ上げる感情を必死に押し殺していた。
自分よりトレイ・クローバーの方が優れている
その事実を認めることがあまりにも屈辱だったのだ
ディア・クロウリー
ディア・クロウリー
…いったい何の騒ぎですか、
寮生から報告を聞いた学園長が慌てて
リドルの部屋に入ってくる
トレイ・クローバー
トレイ・クローバー
学園長…実は、
ポチャ

インクが垂れたような音がする

リドルの胸ポケットに差し込まれた
マジカルペンが黒く濁りだす
ケイト・ダイヤモンド
ケイト・ダイヤモンド
リドルくん…?
ケイトがリドルの異変に気付く
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
違う、ぼくは弱くない、
まちがってない…
リドルの周りを黒い煙が覆う
ディア・クロウリー
ディア・クロウリー
!、いけません、それ以上は…!
トレイ・クローバー
トレイ・クローバー
リドル!
グリム
グリム
様子が変なんだゾ、
あなた
(なにあの煙…)
ピキッ

マジカルペンの宝石が黒く染まりヒビが入る
黒い煙はリドルを完全に覆い巨大化する
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
おい、なんなんだよ。
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
僕に従え。
返事は「はい、リドル様」
以外許さない!
煙の中から出てきたのは顔は青白く、
右目に炎をやどし
赤黒いドレスを身にまとったリドルの姿があった

さっきとは別人のように見える

オーバブロットに魔力を集中させたせいか
あなたたちの首輪が煙になって消える
デュース・スペード
デュース・スペード
!、外れた。
トレイ・クローバー
トレイ・クローバー
リドル…
ディア・クロウリー
ディア・クロウリー
少し遅かったようですね。
グリム
グリム
どうするんだゾ
ディア・クロウリー
ディア・クロウリー
しかたありません
こうなってしまえば
力ずくで止めましょう。
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
力ずくって..
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
…ボクを止めるだって?、
リドルが腕を振るうと
あなた達の方に無数の薔薇が飛んでくる
あなた
ッ!
ボワッ

グリムが炎を吹き出し薔薇を焼き消す
あなた
グリム!
グリム
グリム
オレ様なら余裕なんだゾ
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
ッ…
「余裕」という言葉が引っ掛かったリドルは
再び手を振り強風を生み出した

重たい家具や鋭利なものが飛び交うため
身動きが取れない
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
あなた、危ないから下がってろ
ぐいっと腕を引っ張られエースの後ろに隠れる
あなた
うん。
トレイ・クローバー
トレイ・クローバー
この距離なら魔法でしか戦えないな…
ディア・クロウリー
ディア・クロウリー
ここは私がッ…
デュース・スペード
デュース・スペード
いでよ!大釜!!
学園長の言葉を遮りデュースが唱えると
リドルの頭の上に大釜が落ちてくる

ガンッ
大釜がリドルの頭に落ち鈍い音がする
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
…ッ
ケイト・ダイヤモンド
ケイト・ダイヤモンド
あっ、
デュース・スペード
デュース・スペード
なかなかだな。
デュースは自分の魔法が命中し、得意げになる
デュースの行動がリドルを余計に怒らせ
強風が強くなり渦を巻く
デュース・スペード
デュース・スペード
ウ"ッ
デュースの腹に椅子がぶつかる
あまりの痛さにうずくまる
あなた
デュース!
トレイ・クローバー
トレイ・クローバー
大丈夫か!
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
…いい加減にしろよッ!
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
Joker's Snatchジョーカー・スナッチ!!
エースのマジカルペンが赤く光る
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
!、
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
オフ・ウィズ・ユア・ヘッド!!
ガチャンッ

リドルの首に首輪がつき
強風が止まる
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
これは、ぼくの…
グリム
グリム
エースすごいんだゾ…
あなた
すごいな…
エースの活躍に驚きが隠せない2人
パシッ

エースがリドルの頬をビンタする
トレイ・クローバー
トレイ・クローバー
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
リドルはビンタされた頬に手を置き固まる
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
…謝れよ。
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
……
リドルは痛そうに腹を抱えるデュースに
ちらっと眼を向ける
エース・トラッポラ
エース・トラッポラ
やりすぎなんだよ、
お前も分かってんだろ
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
…ぼくはッ
リドルの唇が、かすかに動く。
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
僕は間違ってなんか
言いかけて、止まる。

違う。
本当は、分かっている。
リドル・ローズハート
リドル・ローズハート
…ッ
リドルは背を向け部屋の外へと走り出した
トレイ・クローバー
トレイ・クローバー
…リドル!
あなた
リドル寮長…
あなたは小さくなった背中を追いかけた
次回 「苺のタルト」

プリ小説オーディオドラマ