上鳴おすすめのお店に案内されて、俺たちはあなたのことについて話していた。
それは、俺たちの話だった。
あなたはずっと、俺の事を待ってくれていたのか?
俺を探してくれていたのか?
同じ、学校だったのに…
俺がもし、髪を染めていなければ、あなたに見つけて貰えたのか?
そう言っていたあなたの言葉を思い出す。
俺だと知って、彼女はガッカリしたのだろうか。
俺は、あの時の女の子があなたで嬉しかった。正直、あの時初めて会ったとき、上鳴に誘われてイヤイヤ参加したけど、あなたをみて、来てよかったと思った。
だってあんなに美しい人は初めてだったから。
お前、そんなんでいいわけ?と煽るように瀬呂に言われて、だけど俺は勇気が出なくて。
好きだ、と言うのは出来るのに。
どうしても返事を聞くのが怖いんだ。
ヒーローなのに、怖いと思ってしまう。
2人に促され、俺はメッセージアプリを起動させて、あなたへのメッセージを打ち込んだ。
送ってから2分くらいすると、既読がつき、すぐにメッセージが届いた。
俺は本当に告白するんだ、そう思うといつも通りの誘いでさえ、ドキドキした。
隣で瀬呂たちが何か言ってるが、頭に全く入ってこなかった。
あなたからの返信を確認して、とりあえず断られなくて良かったと胸を撫で下ろす。
デートと言ったのに、良かったと言ってくれた。
これは、完全にナシではないのかもしれない。
そう、希望を胸に抱きながら。
そう励まされるうちに、俺の気持ちは気づけば上を向いていた。
2人には感謝しねえと。
そのあと、3人で仕事のことや家族のこと。
色々話して、その日は俺が2人を送って行って、家に帰った。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。