それはこのひとつのメッセージから始まった。
てなわけで、俺はショッピングモールへ急いで向かった。
一応、車で。
そして駐車場に着いて、車を停めて、上鳴に電話。
3コールほどで、出た。
電話越しでさえ騒がしいな。
にしても、上鳴と会うのはあの合コン以来か。
あなたと再会できたから、上鳴には感謝しねえとな。そう思いながら3階に向かう。
上鳴が言っていた、アイス屋は意外とすぐに見つかった。
カラオケに行くかゲーセンに行くか、なんて話していた時だった。
上鳴が、南の方を指さした。
え?あなた?
そう思って上鳴の指す方を凝視した。
だけど、俺は見つけることが出来なかった。
それは瀬呂も同じようだった。
なんて言い合いする2人。
たぶん、居たんだろうな。
一目でいいから見たかったな、なんて考えてた。
気づけば俺は走ってた。
確かめたくて。
上鳴が言ってたことはホントなのか。
もしかしたら、人違いかもしれない。
他人の空似、ってやつかもしれない。
だけどそんな考えは一瞬で打ち砕かれた。
目の前にはいつもより少しオシャレな格好で隣の男に優しくほほ笑みかけるあなた。
その隣で微笑むあなたを優しい顔で見つめる男。それはどう見ても…恋人にしか見えなかった。
その男は、優しく手を握って助手席に自然な流れでエスコートをしていて。俺、あんなの出来ねぇななんて勝手に負けた気持ちになって。
俺は、そこから動くことが出来なかった。
ただ、それを見ていた。
俺をおってきた瀬呂に気づいてもう一度あなたが居たところをみると、2人はもうどこにもいなかった。
そうできたなら…どれだけ良かっただろうか。
俺の気持ちがあなたに届く日は来るのか。
頑張る、と言ったのは自分なのに。
あの兄貴を見ると、俺なんかでは全然ダメだ、そんな気持ちになった。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。