第14話

💘
772
2021/04/12 13:00

慣れない手つきで私の部屋と

全く同じドアを目の前で開ける青年

なんだか自分の部屋に入られるみたいで

少し気分が落ち着かない。
.
あ、ここに置いといてください!

引越しあるある

玄関に足の踏み場がなくなる。



唯一と言っていいほど

細い道が確保されている青年の玄関は

まさにダンボールジャングルのよう。))
あなた

いや…ちょっと無理があるかと…←

.
…そうっすよね、笑
.
じゃあ中まで!汚いですけど…お願いします!!
あなた

いや、私はここまでで!!!


なんかさっきから思うんだけど

この男、いろいろ発言が軽々しい…))



いくら引越し直後でも

数分前に知り合ったばかりの

まだ名前も知らない男女が

同じ部屋に入ってしまっていいものなのか…
あなた

ここ置いときますね。
じゃ、また…!!


まるで家を出るかのように

私がドアに手をかけると同時に

『ぐぅぅぅ〜〜』っと大きな音が背後から…



これは聞こえなかったふりして帰るべきか

はたまた心配するべきなのか…
.
…すみません、朝から仕事とか引越しとかしてたんで笑
あなた

お疲れ様です…?笑

.
あの…

訴える目が子犬のようで

マスクの上の目がきらきらしてる。



ずるい。ずるすぎる。

彼からは何も言わなそうだから

これは絶対私待ちなんだろうなぁ…))
あなた

えー、っと…

.
…ご飯、作ってくれませんか?

プリ小説オーディオドラマ