私のお兄ちゃんは本当の兄弟じゃないけど本気で兄だと思っていた
それくらい大好きだった
でもあいつ(縁)を切れたんだ。
兄弟の縁を切るってそういうこと
師範はきっと本当に、玄弥君が弟じゃないなんて思ってない
────結局不死川さんの試練は突破できず
次の試練へ
第六の試練
悲鳴嶼行冥
ここでは筋肉強化訓練を行う
滝に打たれ、丸太三本を担ぎ、大岩を一町先まで運ぶ。
そこには炭治郎、善逸、伊之助もいた
ザザザザザアアアアアア
滝修行は気合いで何とかなったが
問題は丸太担ぎだった。
私は炭治郎たちに比べて力が圧倒的に足りない
全く持ち上がらない。
岩柱様の訓練は一番過酷だった
しんどすぎてみんな逃げちゃうらしい。
つまり風柱の継子を続けている私はそこらの隊士より強くなっているということだ
あんなに荒々しかった子がここまで成長している
早く丸太を持ち上げて大岩を一町まで運ぶ!
大丈夫。
鬼の襲撃はまだまだ、さき────
私は地面に突然現れた部屋へと吸い込まれるように落ちた
突然違う場所に飛ばされた
部屋がごちゃごちゃしてる変な空間
不穏な風が止まないんだ
少し走っていると時透さんと刀を持つ鬼を見つけた
でも正直、あんなに強かった時透さんが苦戦している鬼を、銃で打っただけで簡単に殺せるとは思えない
バン ッ バン ッ
銃を撃った次の瞬間、奴は後ろにいた
今まで私たちに背を向け前にいた鬼がだ。
この感じ。強い....強すぎる。
ただならぬものを感じる
目には何の数字が...
なぜだ!なぜここにッ
シュキンッッ ボドッ
ガンッ
後頭部を殴ら、れ……た
相手が強すぎて私では勝てないことくらい一瞬で分かる
ただでさえ毒を一度くらっているのに
そういえば柱稽古の時なんか言ってたっけ..
そんなことしてまで鬼殺隊を続けていたの
そりゃあお兄さんも辞めさせようとするわけだ
玄弥が危険すぎる
意識が...遠のいていく
あ…れ………師範の声がする
………助けに来てくれたのか、な
あぁ。またイマジナリーフレンドが見える…
頭がおかしくなっているんだ
いや、彼が本当に実在していたのだとしたらここは死後の世界だ
違う。本当は怖いだけ
励ましてくれてありがとう。
でも本当にできないんだ
【稀血。それは鬼を酩酊させるもの】
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。