夜空に浮かぶ星が流れた。
思い出すのは、
初めて二人で願ったあの夜のこと。
───とある魔法使いの願い事
今も昔も変わることの無い願い事。
「……あ、今日は星が流れてるな。」
どうやら文の新聞はガセではなかったらしい。この季節は星が綺麗に見える。寒いのを少しこらえて、窓を開けた。冷たい風が部屋を通りぬけていく。金の髪がふわりと靡いて頬をくすぐった。
「……わあ、、、。これは凄いな。」
次から次へと光の線が消えていく。流星群だ。懐かしいと、感じた。
初めて流星群を見た日のこと。それは、魔理沙の記憶に、星の光と共に焼き付いているから。鮮明に思い出せる記憶。
「うわあっ!凄いなあ、、。どうだ霊夢、すごいだろ!」
初めて見る、人間らしい表情。嬉しいのに笑えないような、そんな霊夢が子供らしくあどけない顔をして。流れ星より、その時の霊夢の姿を覚えている。
「……初めて、見たわ。」
「ぁ……私もだよ。なあ知ってるか?流れ星を見た時は、三回願い事を言うと叶うんだぞ!」
「なら、お願いごとしなきゃね。」
「霊夢は何をお願いしたんだ?」
「私?私は……。言わない。言ったら、叶わないのよ。」
「そうなのか?じゃあ仕方ないな。。」
あの時、霊夢の願い事は聞けなかったけど。
自分の祈りは、覚えてる。
星になりたい。
霊夢にあの表情をさせた星に。
霊夢が綺麗だと思える星に。
霊夢の目を奪える星に。
霊夢の目印になれる星に。
そして、霊夢の願い事を叶えられる星に。
そんな幼稚で、それでも今尚願う事。
どうか、愛する彼女の為に。
「星に、なれますように。」
霧雨魔理沙は、流れ星に祈りを込めた。
────とある巫女の願い事
「あら、今……。」
神社の境内から、流れる星が見えた。不思議と気持ちが温かくなる。星を見る度に、思い出すのだ。自分を目指してくれる、大切で儚い、美しい金の星を。
「……あ、願い事……。」
ふと思い出した記憶を辿って、懐かしい願い事を口にする。
「……星になれますように。」
魔理沙は、星を目指して、星に憧れているのだから。私自身が星になれたら、私を見て、追いかけてくれるかもしれないから。
そんな願い。
魔理沙が目指す星に。
魔理沙が求める星に。
魔理沙を照らす星に。
魔理沙が、まっすぐ私に向かってくれるように。私自身が、星に。
魔理沙の願い事を叶えられる星に。
どうか、いつまでも一緒にいられるように。
はぐれてしまわないように。
そんな稚拙な願い事。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!