<数十分前>
そして、現在に至る
彰人先輩は、私の顔を見るなり謝ってきて。
どうしてなんだろう。
嗚呼…気づいていたけれど、聞きたくなかった。
知っていたけれど、本人の口から聞くのは辛かった。
どうして……
こういう時だけ私の耳は声を拾ってしまうのだろう。
下手に勘違いされて、浮気と疑われるほうが嫌だろう。
なんでかな、私はいつもよりずっとずっと冷静だった。
だけど、確実に心が壊れる音が聞こえた。
それを身に染みて感じるのは数日後の話である。
<数日後・放課後>
珍しく風夏と共に先生に呼び出された私。
赤点常習犯の風夏と呼び出されたってことは…
風夏と先生が話すのをぼんやり見ていたら急に話しかけられたため固まってしまった。
言われて用紙を見てようやく気づいた。
今日はどの教科も小テストがあったけれど…
辛うじて赤点を回避できたのが英語しかなかった。
風夏に「私の点は1桁台だからマシ」とは言われたけど。
その後どうやって話したかは覚えていなかった。
気づいたら、また八坂くんの隣にいて。
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なんでこんなに泣いているんだろう。
私はつくづく最低な奴なんだなと自覚した。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!