<翌日>
八坂くんの言葉に黙って頷く。
…頷いたけど、自信がなくて。
分からなくて泣きそうだ。
八坂くんが何か言ったなと思った時にもう遅くて。
私は、八坂くんに抱きしめられていた。
そして、最悪の事態は突然訪れる。
彰人先輩に、その様子を見られてしまったのだ。
やめて、その言葉だけは言わないでっ…
今まで聞いたこともない、冷たい声。
私は、背筋が凍って動けなくなってしまった。
やっと、一歩踏み出す決意をしたのに。
私がこの気持ちに気づいた時には、
先輩に"彼女"がいたなんて。
━━━━━━━━━━━━━━━知りたくもなかった。
<悠生side>
痛いくらいの沈黙。
目の前には、俺にとって誰よりも大好きな人がいるのに。
その子が泣いているというのに。
何もできないって、こんなに悔しいんだな。
そうやって、俺"だけ"を責めればいい。
俺が、1番悪い。
彰人先輩が西園寺先輩と付き合っているフリをしている。
一部の人の間で流れている真実。
俺は、あえて言わなかったんだ。
…あなたと彰人先輩が上手くいくなんて考えたくもなくて。
最低だよな。
でもさ、恋愛ってそういうもんだろ?
相手の噂を利用したり、
自分にとって都合よく事を運びたくなってしまう。
俺は、まさにその典型だ。
だから、嫌われたって仕方ない。
ならいっそ、ここで言ってしまおうじゃないか。
"一縷の望みに賭けて"
少しは俺のことも見てよ…
そんな本音は押し殺して
今1番、言わなきゃいけねぇんだよ。
"この言葉" を。
あの時、俺が抱きしめた理由は…
"好きだから"という理由じゃなくて。
いや、完全に否定をしてしまうと嘘になるけど。
あなたが今にも泣きそうな顔をしていたからだって。
気づけよ、バカ。
第1章 𝑒𝑛𝑑
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![# 攻略対象より悪役に惚れました . [ 冬司ver ]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/463Ienje96SMnaxqeg7tvIaFh9p1/cover/01K566339R5TNCGP01WCWNSK9G_resized_240x340.jpg)


編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。