【注意】
エルリ・モブリ・ファーリ(微)含みます
エル夢は要素は薄いけどエルヴィンが夢主に対してちょっと過保護
悔いなき選択ネタバレあり
モブリ暴力表現あり レイプもある
今回リヴァイをボコボコにして次回は救済です
久しぶりに夢を見た。
幼い頃、地下にいた時の夢だ。
私が手放した大切なものと、壊してしまったちっぽけな存在のことを、久しぶりに思い出してあげられた。
今となっては、もうどうすることもできないけど。
現にイザベルの膝にはぽたぽたとパンくずがこぼれているし、私の言うことを聞く気はないようだ。
まあ、こんな日があってもいいか。
地下で暮らす私にとって、主食はカビたパンだった。
私だけじゃない。地下に住む誰もがそうだ。
おまけに、ろくに身体を清めることだってできずに淀んだ空気の中で生活をしている。
だからしょっちゅうお腹が痛くなるし、周りにはそれで死んじゃう人たちだってたくさんいた。
しかし私は何も望まない。だってそれが私たちの運命なのだから。
この世に生を受け10年。話に聞く地上の子供たちのように、希望に満ち溢れた生活なんて送ることはできない。
私もパンに口をつけると、僅かな甘みがじんわりと口内に広がった。
地下街の天使。
この薄汚れた地下街で暮らす私たちのもとに現れた、唯一の光。
彼は姿を見せぬまま、私たちのもとにあたたかいご飯や清潔なブランケットなどを与えてくれるのだ。
だから地下で貧しく暮らす我々からは、地下街の天使と呼ばれているのだ。
おかげで私たちの生活は楽になった。
1ヶ月ほど前に行き倒れていたイザベルを拾ってやれたのも、彼のおかげで余裕があったからだ。
彼は誰にも姿を見せない。だけど、私は一度だけ、彼を見たことがある。
私とあまり年の変わらない、小柄な少年だった。
その風貌、佇まいから、一瞬で"地下街の天使"だと分かった。
何をしているんだろう。物陰からこっそり見守っていると、彼は颯爽と姿を消した。
彼のいた場所に目を向けて見ると…少し大きな木箱があった。
そして、私は彼のしていたことを理解した。
……盗みだ。高額な取り引きをしてやっと手に入れられる食料や防寒具を盗んで私たちに与えているのだ。
それを知ってから、私はこの恩に心の底から感謝することはできないのだ。
それでも、頼らざるを得ない。
だって、彼のおかげでイザベルが…周りの子供たちが笑って暮らせているのだから。
硬いベッドに横たわる女性は、もう私の知っている母親とかけ離れた姿をしていた。
お母さんはちらりと私を見ただけで、何も喋らない。
否、喋れないのだ。
もう何日も飲み食いしてないんだろうな。きっと、あと3日持てばいい方だ。
私たちに天使の救いの手が降りてきた時には、もう既に遅かった。
水商売をしていないと金も稼げず生活できない。
不潔なこの環境では性病にかかるのも仕方のないことだった。
握った手は細く冷たく…幼い頃に抱きしめてくれた柔らかい腕とは程遠い。
その手から、強く握り返された。
まるで私に元気を与えるように。その優しさは、子供の頃から全く変わっていなかった。
私は古ぼけた家を飛び出した。
お金を貯めないと。
限られたタイムリミットに間に合わせないと。短時間で、お金を……
私は、最低で最悪の案を思いついた。
地下街の天使。彼に協力してもらえばいい!
昨日までは好感を抱けなかった"盗み"という行為。でも、私にはそれしか残されていないんだ。
…もしこの時、こんな考えに至っていなければ。私は、あんな罪悪感に苛まれ過ごすことなどなかったのに。
翌日、時計が示すには朝になってから、私は動きやすい服装に着替えた。
まずは彼を探すところからだ。
イザベルは不思議そうな顔をしながらも、笑顔でお見送りをしてくれた。
…よし。ひとまず彼を探さなければ。
彼が食料を配りに来るのは夕方のことが多い。ならば日中(日は出ていないが)に盗みをはたらきに行っている可能性が高い。
それにしても、彼は一体どこから物を盗んでいるのだろうか。
先日見た場所だけではないはずだ。恐らく、上から女でも買いに遊びに来た金持ちから奪っている。
2、3日かけて地下で遊ぶ奴も多い。奴らは地下の飯が清潔ではないと知っているから、わざわざ自分用の食料を持ってくるのだ。
幼い頃に、物陰に隠れながら母の客を見ていたのだ。
机の上に清潔でカビてなくて汚れてもいない食べ物を置くのに、腹が減れば貧困な私たちに分け与えることなくそれを独り占めするのだ。
それが地下街のルールだ。
地下で生計を立てるなら、女は身体を売るしか生きるすべがない。
なんなら男だって顔がよければその道をたどる。男女問わず子供が売られることもあるが…私はお母さんが必死に守ってくれたから一度もその仕事に携わったことはない。
一部の男はその娼館の運営をして儲ける。
つまり地下街は水商売で成り立っていると言っても過言ではない。
その中から彼の居場所を探るなんて。
肥えた男が怒鳴りながら走っているのを見て、私は慌てて身を隠した。
ああいう男は危険だって分かっている。
…盗む?
私は確信した。きっと彼だ。彼が追われているのだ。
先回りをするか…男に見つからないように、彼を探す。
聞くところによると、彼はかなりすばしっこいようだ。だからこそ、今まで捕まってこなかったのだろうが。
男が向かった先は細い裏路地。
きっとそこに彼がいる。…いや、私が彼を捕まえられる訳がない!
それでも、彼はきっと逃げ切る。だから男が諦めたところで、彼を…
……瞬間、私の真横に突風が吹いた。
身の危険を感じたが、反射で身体が動くよりも早くに"それ"は追い抜いていった。
私は瞬間的に理解した。
彼だ!
言い終わるよりも前に、背中に強い衝撃が走った。
……空き家…?
空き家に投げ込まれた?
薄暗い空間、塵の積もった床、薄汚れたベッドのシーツ…
そして、外の光を遮るように立っている人影。
間違いない。先日見かけた彼だ。
彼に掴みかかろうとした私は容易く避けられ、そのまま顔面から地面に激突した。
どうやら、地下街の天使の本名はリヴァイというらしい。
…探して早々に見つかった!
興奮を抑えきれずにリヴァイの肩に触れようとすると、「汚ねえ」と吐き捨てられ避けられた。
地下の人間は"病気"と聞けばすぐに検討がつく。リヴァイも例外ではないようだ。
リヴァイはちらちらと部屋の様子を観察した後、小さな声で話し始めた。
いきなり語り出したその過去に、私は開いた口が塞がらなかった。
地下街の天使というものだから、もっと強く生きてきたのかと思ってた。
……本当に、すごく優しい人なんだ。
この腐った地下で、希望も捨てずに…それどころか、その希望さえ分け与えてくれる。
肉というのは、食べたことはないし見たことすらない。そもそも存在するのか分からないが、噂によるととても美味しいらしい。
にやりと笑ったリヴァイは年相応には見えなかった。
リヴァイは外に視線を向けて伸びをした。
きっとリヴァイは、盗みなど容易く行えてしまうのだ。
肉を手に入れるのならば今までの難易度の比ではないだろう。
行くぞ、と言い放ったリヴァイはこの建物を飛び出した。あの男はもういないみたいだ。
私よりも身長が低いのに早歩きな彼の背中を追って走る。
どこに向かっているんだろう。
私が疲れてスピードを落としても、リヴァイは止まることなく進み続ける。
ようやくリヴァイが立ち止まった頃には、私は疲労困憊していた。
そこは薄暗く狭い路地裏の最奥だ。確かに、ここなら隠れていられる可能性は高いだろう。逃げ道はないけど。
返事をした私にリヴァイは少しの微笑みを見せ、元来た道を引き返した。
……ひとりになってみて分かるが、ここは随分暗く心細い。
何も持ってきていないから襲われても対処できない。見つからぬようにそっと息を潜めておくことが最大限の戦い方。
…1、2分経った頃だろうか。リヴァイの向かった方向から、ザッ…ザッ……と誰かの足音が聞こえた。それも複数。
さっき見ていて分かったが、リヴァイは足音をたてない。ならば、この足音は他の誰かの……
私は祈ることしかできない。でも、きっとリヴァイは無事だろう。きっとすぐにまた戻っ…
どさりと何かの倒れる音。
聞こえた呻き声…これは間違いなくリヴァイの声。
緊急事態が起きているのだと本能で理解した。
しかし私が出て行ったところで、何もすることはできない。
「打つ」というのはきっと危ない薬を示すものだろう。
…どうしよう、私のせいで……私のせいで取り返しのつかないことに!
……向こうの気配としては3、4人というレベルではない。それこそ10人以上は、きっといる。
それから、思わず耳を塞いでしまうほどの惨い音がした。
血だろうか。液体の飛び散る音が耳に入る。
私は、脳内でただひたすらに「ごめんなさい」と繰り返した。
だがそれでこの惨劇が終わるほど、この世界は優しくない。
心臓が激しく脈打った。
身体ががくがくと震えて動けない。
バレてた…?私が、あんな目に遭わされ……
その時にようやく事態の重大さを理解した自分のことを、最低だと思った。
……なんで、そんなことを言うの。
私を身代わりにしておけば助かるんじゃん。
…そうか。
「地下街の天使」は人を見捨てられないのだ。
だからいつも自分を犠牲にして、他人を助けようとする。
たまには、誰かを犠牲にしたっていいんじゃないの。せめて今は逃げようよ。
リヴァイが動けなくなるより、私ひとりが動けなくなったほうが何倍もマシだ。
人体が蹴られる音がした。
しかしリヴァイはさっきのように泣き喚いたり、逃げようとしたりなんかしなかった。
それでも時折、呻き声の中に嗚咽が混じる。
そりゃあ、複数人の大人に暴行を受けているのなら天使だってそうはなる。
ボキっと、まるで人体から出たとは思えない音。
早く助けに行きたかった。でもそちら側の状況さえ見ることはできない。
でも…一通り虐げ終えただろう…?ならばもうそろそろ解放されるはずだ。
___しかし、本当の地獄はここからだった。
それは何度も何度も何度も何度も聞いたことのある、粘っこくて湿っぽい男の声。
ザワつく路地裏。
無理やりにでも助け出してあげないと…!
踏み出そうとしても動かない脚。こんな時に限って…!
やがて、ぴちゃぴちゃと仔猫が水を飲むような音が聞こえてきた。しかしこの路地裏で行われているのはそんなファンシーなものとは程遠いもの。
破裂音のような音が数回鳴った後、びちゃっと水音がした。
そしてまた殴られたのだらう、人体が床に落ちる音が鳴る。
そんな流れがどれだけ続いただろうか。
6人目とかだった気がする。従順に指示に従っていたリヴァイが反抗の意思を見せたのは。
私にはそれ以上の屈辱があることを知らなかった。男なら、咥えさせられるだけで終わりだと思っていたのだ。
何が行われているの?
自分が当事者でないとはいえ、未知の領域に立たされれば彼の安否が気になってしまう。
なんだ、「入る」って。
だって…どこに挿れる穴があるというのだ。
私はそっと、路地裏を進んだ。
信じられないくらいに脚の震えはなくなっていた。
曲がり角から、そっと覗いた。
複数人の男たちに囲まれ暴行を受けているリヴァイの身体には、痣や血がこびり付いている。
ぐったりと仰向けで転がされているのが余計痛々しい。
顔のすぐ近くには白濁混じりの吐瀉物。
それはもう酷い有様だった。
私がその様子をじっと見ているのも、自分の身の安全のためだった。
死角になってよく見えないが、呻き声の中に快楽が現れたのはそこを扱かれているからだろう。
リヴァイの身体がビクビクと震えた。
まさか、無理やりそんなことされて絶頂したのか。
男は微量のリヴァイの精液を掬い取り、"そこ"へ手を伸ばした。
…そうか。男同士のときはそこを使うのか。
ぐちぐちと湿った音が暗い路地裏に響く。
脚を開かされそこを弄られるという屈辱的な状況と折られた脚の痛みに、リヴァイは嗚咽を噛み殺して静かに泣いている。
…絶起。
私にはそこに「入っている」のをはっきりと見てしまった。
いきなり、また身体がぶるぶると震え出す。
路地裏の最奥まで引き返し、壁に背をつけ耳を塞ぎ、それが終わるのをじっと待った。
いつの間にかそこは静寂で、寒さで手はかじかみ、座り込んでいた脚は痺れていた。
きっともう誰もいない。
さっきの"現場"を、恐る恐る覗き込む。
きっと私は、取り返しのつかないことをしてしまったんだろうな。
虚ろに目を開け、ひゅひゅーと細い呼吸を繰り返す。
どうせ意識なんかないだろう。
床に落ちて男たちがいらないと判断したであろうご所望の品を手に取り、元来た道へ歩き出した。
きっともう会うことはないだろう。それに、そんなに骨が折れていて出血もしていたら、そのうち野垂れ死ぬか感染症で死ぬ。
私は人の死なんて何十回も見てきたから、今更これ以上の罪悪感なんて湧くわけがなかった。
私が幼少期を過ごした家で寝ていた母親は、その時にはもう息をしていなかった。
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いつも昼休みとか帰る時とかに進撃を勧めまくっているけどこの人意地でも進撃界隈に来ようとしない 助けて
毎日この人とコントしながら帰ってます












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。