内装は思ったよりも清潔感が保たれており、驚きが隠せない。あいつの事だからもっと汚部屋かと思ってた。なんならゴミ屋敷かと。
リビングに案内され、荷物は適当に置くことになった。
採用って。上から目線だな。
とりあえず床に荷物を置き、洗面台の位置を聞いてから手を洗いに行く。汚い手のまま家に入るとか無理。
手を洗ったあと、キッチンに向かい冷蔵庫を躊躇無く開ける。すると、中にはたくさんの食材が置いてあった。野菜とか、牛乳とか卵とか。
やる気が起きないタイプか?なんか一生自炊できなさそう。いつかダメになるぞ。
当たり前のように言った言葉が二人の心にクリティカルヒット!床に崩れ落ちた。なんで一人暮らしなのに自炊できないのかわかんないわ。
冷蔵庫や冷凍庫の中に入っている食材を手に取り、作れそうなものを考えていく。そこまで手の凝った料理は作れなさそう。時間的に。
当たり前のことって当たり前じゃないんだ……。
どうでもいいことで喧嘩しないでくんない?はよ入ってこいよ……。
さすがに料理するのに服が汚れたら嫌だから、エプロンを探す。
指を刺された先にあるハンガーには、たくさんのハートがちりばめられたエプロンが。え……こんなの着てるの?
やっぱり自分の意思じゃないよね……。
そんな会話をして風呂場へ向かっていく二人を見送ってから、嫌々エプロンを着て調理に取り掛かる。
脱衣所で服を脱ぎ、風呂へはいる準備をする。
隣で俺と同じように脱いでいるいむくんに問いかける。半裸になったいむくんの体は、いつしか一緒に泊まった時よりも筋肉質な体型になっている。俺やゆうくんにはかなわんけどな。
全裸になって、洗濯のネットに着ていた服を入れる。
全部脱がないとネットに入れられないし、これ以上どうしろってんねん。
入れ終わったら、風呂場へ向かう。
やはり前来た時より大きく内装が変わることはなく、強いて言うならシャンプーが前と変わったことだろう。
そして、ニコニコ笑っていた俺たちは次第に笑いを止めた。
両者ともにお互いの目を見て、いつになく真剣になっていた。
俺らは手の内を明かさないように、片手を背中に回す。これで、俺らの運命が決まる。
俺は手を大きく広げ、「パー」と呼ばれる技を出した。それに対しいむくんは、ブイサインを作り、「ちょき」と呼ばれる技を出した。
つまり、この勝負の勝敗は……。
そう、これはお風呂の椅子をかけた勝負。絶対に負けられない戦いだったはずなのに……。
大人しく観念して、椅子を渡してシャワーをいただいていく。
適当な理由をつけ、シャワーで髪を濡らす。もちろん俺は椅子を取られたので立ったまま。ずっと立ったままとか疲れるから嫌やねんけど。まあ負けたからには文句は言えんしなぁ。
髪を十分濡らし終わったらシャンプーを手に取る。そのまま髪に垂らして泡立てる。
シャワーを手渡すと、俺と同じように髪を流す。
自分から聞いたくせに、大して興味無さそうな返事をされる。なんかこういうんムカつくよな。
なーんて会話をしているうちに全て洗い終わり、湯船に浸かる時が来た。
そんなやり取りをして、湯船の蓋を開けて同時に入る。温度はちょうどいい。だが、二人が座るとお湯が溢れ出てしまった。
いむくんだって一人暮らし。よくある「え!めっちゃひろーい!わー!」みたいなこと現実的に考えればあるわけない。
あの男嫌いはいつ治るんやろ。そろそろ治ってきたと言っても過言では無いけどな。俺たちと普通に関わっているんだし、泊まりもOKしたしな。
やっぱり女子の方が好きってだけで男はもういいんじゃないか。
いきなりそんな問いかけをされ、びっくりして思わずいむくんの顔を見てしまった。目を見れば好奇心により瞳が輝いていた。
子供のようにはしゃいで、早速腹筋に手を伸ばしてきた。でも、確かに分かる。筋肉触りたくなるの。俺も憧れた。
押したり割れ目をなぞったり。楽しんでる。ガチの子供やん。
くすぐったく感じてきたので、出るように促す。でもそれにも不満そうで、ずっと触り続けてくる。
いむくんの手を押しのけて立ち上がる。そうするといむくんも慌てたように「僕も」と言って立ち上がる。強行突破や!
本日の料理は白米、野菜炒め、ハンバーグ、大根のお味噌汁。何故か異様に野菜が多かったため、料理も野菜ばかりになってしまった。
かなり時間がかかってしまったが、あっちが長く風呂に入ってくれたから時間に余裕はあった。こりゃのぼせるな。
リビングと脱衣所を仕切っている扉が開き、二人がでてきた。
目線を水色の方に向け、少しばかり会話をする。そこには髪を乾かさず、白いパジャマに着替えた水色が居た。
頬が紅潮し、髪から水が滴り落ちている。一般的に見ればエロい、という感想を持つだろう。だがしかし私にとっては無駄な色気に過ぎない。
こっちは盛りつけ中だっての。なんで自分でできないんだよ。ひとりでできない子供か?
盛り付けに使っていた箸を置き、未だ突っ立っている二人の方へ向かう。
指を指された先にある棚は、どう考えても私じゃ取れない高さにある。
煽りながらも取ってくれた。ウザ。蹴りたい。
知るか。煽りがなけりゃありがとうぐらいは言ってあげたのにね?
渡されたタオルを受け取り、まず白髪にしゃがむように言った。
※二人とも165センチの設定です反抗(?)しながらもしゃがんでくれたので髪を拭く。なんか煽られたりムカついたので乱暴に。それでもしっかり水分は取れるようにする。
それになんか無駄にサラサラなのがムカつく。ていうか濡れてても、両サイドに出てるアホ毛はしおれないのなに?
拭いてる最中にふわっと香る甘い匂いがすごい好きだなぁ。めっちゃいい匂い。今度から私もそれにしようかな。
数分くらいタオルでゴシゴシ拭いてると、ある程度乾いてきた。
今度は髪を整えるためにクシを取り出す。一応私も女子だから、常にクシはポケットに入っている。
ある程度とかしおわったら、ポケットにしまう。
なんか喜んでる。
次は水色を呼び、同じように拭いてやる。拭き終わったらまたくしでとき、終了。
私は脱衣所を出て、盛りつけを終わらせるためキッチンへ向かう。
盛りつけの終わった料理を食卓へ並べていく。箸やコップは使わせてもらった。ゲームをやっていた二人は大人しくゲームをやめて席に座る。
健康に悪そうな食事ばっか取ってそう。まあ今日は野菜が沢山あるからなー。
並べ終わったら、手を合わせて言う。
そう言うが同時に、ハンバーグに手をつける二人。好きな物は最初派か。
デミグラスソースのかかったハンバーグは、切ると肉汁が溢れ出てくる。かなり今回は上出来だ。
二人にもかなり好評みたい。まあ私ですからね?
ガツガツと食べていく二人は肉食動物みたいだ。
なんか子供の世話してるみたい。見た目は高校生中身は小学生。名探偵の逆バージョンかよ。
野菜という単語を出すと、苦い顔をする。野菜嫌いとか小学生かよ。
二人ともハンバーグと白米は早くも完食。なのに野菜の入った食べ物は食べないようで。
一応言うと、手を付け始めた。ちょろいな。一口食べると、味付けが好みなのかなんなのか知らないけど次々と口に放り込む二人。
やっぱりこうやって美味しそうに食べてくれるのは嬉しいな。母親にでもなった気分だ。
元気よく声を上げ、食器を洗いに行く二人。私も食べ終わったので、同じように食器を洗いに行こうとすると止められた。
片付けはやってくれるみたいなので、あとは任せて脱衣所へ向かった。
こういう長編になりそうなものって一気にバババーって一話にまとめるとかした方がいいですか?
それとも細かくわけて出した方がいいですか?投稿頻度はガチでランダムですけど。
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あの、小説はほんとに書こーって思った時しか書かないので投稿頻度はクソです。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。